コロポックルの手帳

20代後半,独身,モテない,男が好きなことを書く.

初めての海外一人旅 ミャンマー6 ~バガン 自転車でどこまでも~

 2019年1月2日

6時30分頃起床

朝飯が付いていたので,宿の屋上に行き朝飯を食べる.

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セルフサービス.安宿だから屋上とは言えそんなに高くないが,外での朝飯は気持ちいいもんだ.食後,そのまま帰っていいかわからなかったから,食器を戻したらスタッフが恐縮してた.ミャンマー人純粋で好きだ.

 

7時50分 ニャウンウーの宿(インワモーテル)出発

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今日の相棒.宿で借りた.バガンを周れるのが一日しかなかったので,なるべく多くの時間を周りたいということで早めに出発.Eバイクというスクーターもあるらしいが,運転方法がよくわからないしたまにバッテリーが切れるらしいので自転車にしておいた.

自転車で走っていると,必ずクラクションを鳴らされるが,いやな感じはしない.ミャンマー人にとってクラクションはあいさつみたいなもんだからな.日本だったらすごく嫌な気分になるが.

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少し進むと,すぐに遺跡が見えてきて思わず自転車を止める.まだオールドバガンの門すらくぐっていない.地球の歩き方にも書いていない,そんな遺跡が点在しているのがバガンだ.どこの寺院も地元の管理人がいる現役の仏教施設らしい.写真奥に見えるのはシュエジーゴンパゴダだ.宿に近いので今日の最後に周る.写真手前にも名もなき遺跡が映る.

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名もなき寺院.(あるのかもしれないが...)色合いと,奥が見えない黒く見える入り口に埴輪みたいな不思議なエネルギーを感じる.

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地球の歩き方にも載っていない寺院.珍しくてしばし眺めていると,バイクで現れたミャンマー人に声をかけられる.

「グッドモーニング.中見るかい?」

寺院の建物の入り口には柵があり,南京錠があった.それを彼が外し,中に案内してくれた.うっかり土足で入ったのだが,彼が入り口で靴を脱ぐんだと教えてくれた.

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中にはブッダがいるが,補修中である.自分を招き入れた彼が言うには,何年だったかの地震で壊れたそうだ.(今調べたら2016年の地震だと思う.ほかの寺院もこの地震で損壊して補修中のところが多かった.2年以上前の地震でも補修中なんて...世界遺産にもなったことだし,ちゃんと補修するための資金が供給されることを祈る.あと,この寺院のブッダの手の上に,本来もう一つのブッダの顔が置かれているようであるが,この時はなかった.)

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天井の様子.彼は何者かはわからぬがこの寺院の管理人のようだ.上手な英語でこの寺院の説明をする.そして,寺院の説明が終わったところで,持っていた砂絵の説明を始める.彼の商品だ.始まった.やっぱりそうだったか.そう思って,申し訳ないが買う気が無いことを伝えると,

「わかったよ.しょうがないね.来てくれてありがとう.」

と言った.思っていたのと違っていてびっくりした.てっきり,ぐいぐい来る感じかと思ったから.最初にいろいろ丁寧に教えてもらったのが嬉しかったからチップを渡そうとしたら,

「いやいやいいよ.ここはお金がかかるところではないから!」

って言って固辞した.とても気持ちのいいやり取りで朝から幸せな気分になった.ミャンマー人はほんと素敵な人が多い.

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外も立派な装飾だ.手前に映るのは管理人さんのバイク.

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オールドバガンへの道の途中で撮影.ミャンマー人が観光している.

 

8時30分 タラバー門着

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途中寄り道したのでニャウンウーから30分以上かかった.地球の歩き方によると9世紀に築かれた城壁の名残.ここから先が,いわゆるオールドバガンで考古学保護区であるそう.ここからは基本は地球の歩き方のモデルコースに従い観光する.最初の寄り道もそうだが,バガンは名もなき遺跡が多すぎてすべてを見ていたらとても時間がない.とりあえず最初はブーパヤーを目指す.

 

8時45分 ブーパヤー着

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今まで見たことないような形の仏塔が目印.地球の歩き方によると7世紀から8世紀ごろに建立したとのことでバガンでも相当古い寺院だ.

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当たり前だがここも裸足.9時前だが多くの人でにぎわっている.奥に大河エーヤワディーが映る.ブーパヤーはエーヤワディー川の目の前の崖にそびえている.川から見てもきれいなんだろうな.

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大きな川だ.

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ブーパヤーから一段下がったところ.

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下から仏塔を撮影.青空に金色の仏塔が映える.そういえば,ミャンマーで一度も雨に降られなかった.乾季って偉大だ.
 

8時50分過ぎ ブーパヤー発

ブーパヤーは小さいので見るのに時間がかからない.写真で時間を確認したが,10分ぐらいしかいなかった.

ブーパヤーを出てすぐの舗装されていない個所を自転車で走っていると,斜め前から犬二匹が吠えながらこちらに迫ってくる.

”ガオッ”

こう吠えたのは自分である.数か月後のタイで犬に襲われたときもそうだったが,犬に襲われる度に自分はこんな声を出すんだというのは新たな発見だ.心拍数は爆上げだが,なんとか威嚇して犬を追い払う.この時は自転車だったので少しは気が楽だったが,歩きだったら怖かった.背中を丸めて斜めに走ってくる犬の怖さよ.イヌコワイ.

 

 

9時 マハボディ人着

どこかで聞いたことある名前の寺院だ.実際地球の歩き方にはインドとのつながりを示すと書いる.そうだ,ブッダガヤの大菩提寺だ.釈迦が悟りを開いたところだ.境内はブーパヤーと違い閑散としていて人が少ない.地球の歩き方のおすすめ度も星2つ(Maxは3つ).ただし,仏塔の造りは精巧で美しい.

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荘厳な造りであるため写真で見ると大きく見えるが,実物を見ると意外と小さいと感じるかもしれない.(この後訪れる寺院がでかすぎるってのもあるが...)

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中にいる黄金のブッダ.鼻がでかい(って言ったら失礼か(笑)).

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敷地は広くないが中央の仏塔のほかにも仏塔がある.写真の仏塔はミャンマーではあまり見なかったタイプの仏塔.(ミャンマー旅の一年後のブログ執筆後に行った(2019.12-2020.1)スリランカにはたくさんあった気がする.)説明が書かれているが,ビルマ語で読めない.

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他にもこんな遺跡が.英語の表記もある.

”4週間ブッダは宝石の家で過ごした.菩提,瞑想...”英語力が無いからよくわからない.多分,釈迦が悟りを開いたときのことを説明しているのだろう.”Bodhi(菩提樹)”はスリランカにはたくさんあったが,ミャンマーにはなかったな.そう言えば.

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中央の仏塔と青空.鳩が多い.

 

9時10分 マハボディ寺院発

自転車を止めたところで地元のお土産売りのおばちゃんにつかまる.まず,目の心配をされる.優しい.でも商品を買う気はないので早々に断り,次の寺院を目指す.

 

9時15分 ゴドーパリィン寺院着

オールドバガン内(特にブーパヤー周辺)は遺跡が密集しているので過去の写真から時間を確認すると5分刻みのスケジュールだ(笑).これだけ密集しているのだからもしタクシーで回ろうとしているならばお金がもったいないと思う.

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道にこんな案内がある.

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地球の歩き方によるとバガンで2番目にでかい寺院.でかい...上の塔は1975年の地震で崩壊してしまったが修復済み.55mあるようだ.1174年から1211年にかけて作られた.40年近くかかったのか.考えてみたら日本では鎌倉時代鶴岡八幡宮なんかがこれと同世代の寺院ってことか.そう考えると,規模や装飾は考えられないくらい素晴らしいな.頼朝さんとか北条さんがこの時代にミャンマーに来たらどう思ったろうか.この寺院もそうだけど,バガンの寺院はアジアンな感じではなく,ヨーロピアンな雰囲気を感じる.それは石造であるからってだけではなく,質素な雰囲気を醸し出す日本やアジアの寺院と異なり,荘厳できらびやかな雰囲気を持っているからだと思うが,不思議で興味深い.そのためなのか,あくまで仏教寺院であるのに,キリスト教を感じる.

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寺院のアップ.どこまでも澄み渡る空と,精巧な建築美.全体が白色であるのに対して塔のてっぺんだけが金色であるってところが美しい.お城みたいな感じがするが,構造はおそらく1層(1階)しかないのではないか?つまり,上の方はすべて飾り.

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正面に鎮座するブッダ.なんとも言えない表情をしている.よく見ると,大部分は消えてしまっているが,後ろは壁画になっているのだ.ブッダの前には祈るミャンマー人.ドネーションボックスは札束でいっぱいだ.

寺院の建物内部は基本的に四方にこんな部屋があり,その部屋を廊下がつないでいる.当時は気が付かなかったが,今改めてGoogle earthを見るとほぼ,東西南北に合うように設置されているので,東西南北にそれぞれ入り口があり,上の写真のような部屋があることになる.(あくまでほぼ東西南北.若干ずれている)

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部屋と部屋をつなぐ廊下.雰囲気がよい.千と千尋の神隠しのエンディングみたいだ.写真奥の角を曲がると,

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ブッダ.部屋と部屋の間の廊下にも小さな空間があり,そこに部屋に設置されているブッダよりもワンサイズ小さいブッダがいた.床の模様がおしゃれ.

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それぞれの部屋に設置されているブッダは表情が違う.何か意味があるのだろうか?

9時30分過ぎ ゴドーパリィン寺院発

ダビィニュ寺院を目指す.考古学博物館の横の舗装されていない道を犬にビビりながら通る.

少し自転車をこぐと,大きなダビィニュ寺院が見えてくる.今度は正面から人が声をかけてくる.どうやらここに自転車を止められるよと言っているようだ.東南アジアの観光地でよく自転車をこいでて,

”おーいここだよ.”

みたいな感じで自転車を止める場所を言ってくる人は無視するのが,一番いい.なぜなら必ず最後は商売の話になるからだ.まぁ,別に断ればいいんだけど.

ということもこの時はあまり知らず,とりあえず手を振ったおばちゃんの前に自転車を止める.ダビィニュ寺院の手前のナッラウン寺院という寺院の目の前だ.写真撮ってあげるというので,スマホを渡して撮ってもらうことに.

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ダビィニュ寺院と僕.

さらにおばちゃんは”黄色い本”持ってるか?って聞いてくる.素直に”地球の歩き方”を見せると慣れた手つきで,ナッラウン寺院のページを指さす.そして,勝手に見る予定の無かったナッラウン寺院のガイドを始める.これはチップパターンだと思いながらも,ちゃんと英語で丁寧に説明してくれる.おばちゃんについて小さいナッラウン寺院の中に入る.

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おばちゃんはこれを指して,

”シッタ”

みたいなことを言っていて,その時はわからなかったので自分は”??”って表情していた.おばちゃんは”シッタ”知らないの?みたいな感じであったのだがあとあとよく考えてみると,ゴーダマシッダールタ(釈迦)のことだ.

よく知らなかったが,仏陀→悟りを開いた人(不特定),釈迦→ゴーダマシッダールタ(特定)らしい.ということを今学び,記事の上の方に書いたマハボディ寺院の記載を急いで変更した(笑).

ナッラウン寺院は地球の歩き方によるとバガン唯一のヒンドゥー教寺院らしい.仏教寺院では仏陀だが,ヒンドゥー教寺院では釈迦個人を祭っているのだろうか?

(ただし,地球の歩き方を読むと,”シヴァ神”と書いてあるので,おばちゃんは”シッタ”ではなく,”シヴァと言っていたのかもしれない.”)

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ナッラウン寺院自体は小さく,外壁,柱,中央の柱で構成されている.中央の柱に像が彫られている.1年以上前のことなのでおばちゃんがなにを教えてくれたか詳細は忘れたが,建物の中で突然鳩が飛び出してきた時咄嗟に,

"Pigeon!"

と,ちゃんと観光客相手にビルマ語じゃなくて英語でびっくりしていたのがかわいらしかった.

 

ナッラウン寺院を出ると,チップだと思っていたのだが,店に寄ってかないか?だった.結構がっつりガイドしてもらったしチップでもいいかなと思っていたところであったが,お店によってちょうどサンダルが欲しかったのでサンダルを買うことに.お店と言ってもナッラウン寺院の目の前のかわいらしい露店だ.

最初は8000チャットって言われたが,半額まで値下げ交渉して4000チャットでサンダルを買った.おばちゃんはちょっと不満そうだったが応じてくれた.今まで靴を履いていたので,さっそくサンダルに履き替える.その様子を見ていたおばちゃんは,商品を買った後なのに,サンダル用のやつではなくわざわざ靴を入れるための大きめの袋に変えてくれた.商売が終わった後も優しくしてくれるのが,ミャンマー人のいいところだ.そして,一緒に目の前の止めておいたチャリンコのところに行き,持ち歩くと荷物になるからと言ってチャリンコのハンドルのところに,靴の入った袋を固く縛り付けてくれた.まるでお母さんだ(笑).

”これでOK!この自転車と靴は見ておいてあげるから,お寺を見てきな”

と言われ,チャリンコをおばちゃんの店の前に残し,ダビィニュ寺院見学に行く.

 

10時 ダビィニュ寺院見学

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ダビィニュ寺院.バガンで最も大きいらしい.荘厳.ただ,上の方が改修中だ.あと,毎回思うが写真が下手だ.数枚とった中で最もましなやつ.

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よく覚えていないがダビィニュ寺院で撮影した写真は外観以外にはこのピンボケ写真だけ.なんでだろう.ダビィニュ寺院の呪いか(笑).

10時15分 ダビィニュ寺院発

今となっては記憶にないが,この寺院も10分程で立ち去り,おばちゃんの店の前に置いた自転車を回収に.

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おばちゃんの店の前の装飾.樹に手作りの飾り物を垂らしているのがかわいらしい.映っていないが写真より左側におばちゃんの店があり,その隣の写真の左に写っているのはおばちゃんの店の隣の店の女性.なぜ祈っているのかは不明.明らかに自分に向かって祈っているように見える.

さっきのおばちゃんにありがとうを告げる.何歳って聞かれて26って答えると,10代かと思ったと言われる.なんで?だけど隣の上の写真に写っている女性は

”How many babys do you have ?”

って聞いてくる.独身じゃ!若く見えるのか,おっさんに見えるのかどっちなんじゃ.自転車から手を振り二人と別れる.そしてシュエグーヂー寺院を目指す.

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ダビィニュ寺院の近くから撮影したシュエグーヂー寺院.すぐそばだ.

 

10時20分 シュエグーヂー寺院着

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シュエグーヂー寺院外観.

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中の様子.黄金のブッダが美しい.そしてお供え物をして,跪いて祈る人に信仰心を感じる.

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小さいが黄金で美しい像だ.

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おそらくこれはシュエグーヂー寺院のテラスから撮影した写真で,ゴドーパリィン寺院を撮影している.バガンは一日で大量の寺院を周ったので,記憶が薄い.この写真も地球の歩き方にテラスに登れると書いてあったので,撮影時間とその記述からそこから推測した写真だ.せっかく時間をかけて異国を旅したのに,一年間で記憶が薄れてしまうのは悲しい.だからこそ,文章にして記憶を残したい.書きたい旅行の記事は10以上にたまっているが,なかなか書く暇もない.書く時も一記事10時間ぐらいかかるし.(この記事は最終的に3か月ぐらい要した(笑))その間に忘れてしまうのが怖い.

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趣のある石碑.1131年建立だそうだ.ゴドーパリィン寺院もそのくらいであったし,12世紀がバガンの黄金時代だったのだろう.確かこの寺院の近くで昨日お金を両替したりいろいろと丁寧にしてくださったお二方に合う.二人も自転車で回っていた.

 

10時30分 シュエグーヂー寺院発

バガンのハイライト,アーナンダ寺院を目指す.

 

10時35分 アーナンダ寺院

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駐車場にはバスが大量に止まる.

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アーナンダ寺院入り口.正面の白い塔が門.奥に見える黄金の塔の中に仏像が安置されている.

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ほかの寺院に比べて重厚な造りだ.ほかの寺院には四方に入り口の門なんてなかった.よくよく考えると,四方に門があったり,部屋があったりするのはミャンマーの寺院の特徴な気がする.日本の寺院は基本入り口は基本一つだし(四方に合っても裏口みたいな扱い),大仏も基本正面に一体だ.構造的に左右上下対称というような要素は日本の寺院にはない気がする.スリランカの寺院もここまで左右上下対称という造りのものはなかったような気がする.

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入り口にも小さな像がある.スリランカではガードストーンってのが神聖な領域の前にはあったが,この像も同じように外からの悪者の侵入を防ぐみたいな意味で作られたんだろう.武器は持っていないが,強そうな雰囲気だしているし.

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入り口の像の先に進むとメインの仏像の手前に空間がある.この空間にも左右に中央の仏像を守るように像が配置されている.ヒンドゥー教の像のようなポーズをしている.その中央にいる像に行くまでのアーチがまた重厚だ.地球の歩き方によると東西南北に設置されている4つの9.5mの仏像のうち,南北の仏像が当時のものらしい.”入り口はおそらく北で,そこからまっすぐ進んできたので上の写真に写る仏像はおそらく北向きの仏像で建設当初(1090年)から存在するものだ(地球の歩き方情報)”と当時思い込んでいたが,実際はこの仏像は西の像であるようだ.

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像のアップ.なんとも言えない表情をしている.ライトアップされ,非常に荘厳に見える.この仏像の手前にも小さな仏像が3体鎮座している.また,仏像の背後の絵も美しい.(語彙力.荘厳と美しいばかりだ.)

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写真はぼけてしまっているが,東西南北の空間をつなぐ廊下の壁にも装飾がなされている.天井が高い.

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北の仏像.胸に手を当て祈るようなポーズをしている.これは建設当初の1090年からあるものだ.西の仏像の背後は絵であったが,この仏像の背後は彫刻のようになっている.

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北から東の仏像へ向かう廊下.壁に小さい空間があり,そこに小さいブッダが配置されている.少し暗い感じがノスタルジックな雰囲気を醸し出している.

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建設当初からある南の仏像.これは北の仏像と違い背面が彫刻ではなく絵画だ.ほかの仏像と比較して若干色が濃い,さびれた印象がある.観光客も少ない.

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南側の仏像の手前の空間.西側のそれと色合いが若干違うが,造りはほぼ同じか?

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東西南北を結ぶ廊下の壁.場所により装飾が異なるところが面白い.ここの廊下はどの方角の廊下かは忘れてしまったが,壁にはとにかく大量のブッタが鎮座している.(雑)

 

10時50分 アーナンダ寺院

シュエサンドーパゴダを目指す.1年以上前のことを記載しているため時間間隔は忘れてしまったが,バガンメインと言ってもよいアーナンダ寺院も15分程度ですべて見終わったことになる.一度オールドバガンの城壁周辺を離れ,南へ向かう.ニャウンウーとオールドバガンを結ぶ道路を横断した先は舗装されていない土の道を走る.

 

11時 シュエサンドーパゴダ着

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シュエサンドーパゴダは今までバガンで見てきた遺跡(寺院)と違い,パゴダ(仏塔)だ.そのため,仏像は配置されておらず,中に入るような構造にはなっていない.地球の歩き方によると,1057年建立の仏塔で,釈迦の遺髪が収められている.雄大である(バガンはほかの寺院も大きくて立派だが..).

入り口で靴を預けると近くに,店があり店の女の人がこちらを見てくる.入り口は一つしかないので,入るときはマークするだけで,出るときに声をかけられるようだ.

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パゴダのアップ.上述したように中には入る構造ではないので外を回り見学する.周囲は芝生も整備されており,きれいである.パゴダの周囲に階段が見えるが,近年までは観光客も登ることができ,サンセットポイントとして有名だったらしいが,バカな観光客が落下して死傷する事故が相次いだということで現在は封鎖されている.自分の会社のカナダ人の英会話講師は,バガンのパゴタの上で民主主義について演説したらミャンマー人は純粋だからみんな熱心に聞いていたなんてことを言っていたが,多分ここだろう(笑).何してんだ...

バガンは比較的フラットな土地に大量の遺跡があるので,上からの景色は非常に見ものだったと思えるので残念でならない.現在では周辺の丘か少し離れたバガンタワーに行くことでしか簡単にバガンを見下ろす方法はないのだそう.ほかにも気球から見る手もあるが,この気球3万円程するのでぼったくりとしか思えない.例えば,彼女や妻とパッケージツアーなどの多少贅沢な旅行をしている人であれば,払うことに躊躇するような金額ではないが,自分みたいな貧乏旅をしている人には払えない金額だ.3万円ではなく,3万チャットぐらい(2500円ぐらい)までさげてくれるのであれば乗りたかった(ドケチ).

と,シュエサンドーパゴダとは話題がずれてしまったが,シュエサンドーパゴダの敷地は中央のパゴダから30m四方程度のものでこれ以外見るものはないからこの周囲を一周して,外に出る.案の定,売り子から声をかけられるが,いらないのでNo thank youで一蹴する.

 

11時20分 シュエサンドーパゴダ発

地球の歩き方に載っていた,シュエサンドーパゴダの近くにあるはずのシィンビンターリャウンを探したが,見つからず未舗装の道を少し迷走する.

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シュエサンドーパゴダからみて正面の道を進むとたどり着く寺院.Google mapsでみたら,Law Ka Ou Shaungと書いてあった.パゴダでもなく,Templeでもないのか.

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上の写真の反対側.双子みたいなパゴダがかわいらしい.また,つつじみたいな花が鮮やかで素敵だ.

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シュエサンドーパゴダと,ロンジー姿の道を歩くミャンマー人.結局シュエサンドーパゴダの方へ戻る.

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今度はシュエサンドーパゴダからさらに南下する.周辺にはあまり人がいないので自転車を止めて鑑賞する.

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名もなき遺跡と旅人.
遺跡はレンガの赤色が美しく,それをより鮮明に見せのは雲の無い青空だ.旅人が小さく見える. 

しばらく撮影した後,当初の目的であった,シィンビンターリャウンを目指す.

 

11時50分 シィンビンターリャウン着 

結局シュエサンドーパゴダからすぐにあった.迷走したので結構もどった.

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シィンビンターリャウンは巨大な寝像だ.11世紀に造られたもので,18mあるらしい.こんなにでかいのに,1000年以上小さな小屋の中に格納されていてかわいそうだ.それとも以前は雨ざらしだったのか?入り口で子供が撮影するのにちょうどいい場所を教えてくれた.地元の子供で,ここで撮影場所を教えることで小遣い稼ぎをしているようだった.彼は各国のお札や小銭を見せてきた.日本のコインをくれって言われたが,ごめんねといい立ち去った.チップぐらいはあげてもよかったのかもしれない.

 

12時 シィンビンターリャウン発

ダマヤンジー寺院を目指す.ここまでで,地球の歩き方のオールドバガンハイライトMAPの博物館を除く遺跡はほとんど見終わったので,次のページのコースB大型寺院巡りコースに移行する(地球の歩き方(2019~2020)p131).このコースはなかなかハードなコースでこの後かなり道に迷った.そもそもが舗装されていない道なのかよくわからない道を行くコースであるため,わかりづらい(というような記載がよく見ると地球の歩き方にもあった.それを知らずに計画をしていた).スマホの調子が悪くてミャンマー来てからGPSが使えなかったのもその要因の一つであると思う.コースの途中に朝日夕日の穴場スポットとの記載がある,ニャンラパット・ポンドの丘があるが,特に夕暮れ時は自転車で来ないほうがいいと思う.日が暮れたら真っ暗で進む先もわからず死ぬほど怖いと思うから.それに加え近くにダマヤンジー寺院という心霊スポットもある(笑).

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シュエサンドーパゴダからダマヤンジー寺院に行く途中右手にMyauk Guniという結構立派な寺院があり道草を食う.

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Myauk Guniからみたダマヤンジー寺院.重厚感のあるレゴブロックみたいだ(表現が悪い).

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ダマヤンジー寺院の前で撮影.周囲にはダマヤンジー寺院以外無く,ポツリと立っている.

 

12時10分 ダマヤンジー寺院着

シュエサンドーパゴダからここまではすんなり来ることができた.

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正面の門はかなりでかいが,なんとなく不自然.地球の歩き方によるとこの寺院は兄弟を殺して無理やり王位に着いた王が,狂ったように建てた寺院であるらしく,完成する前に途中で王が死んでから未完成のまま残っているらしい.非常に興味深い寺院だ.スリランカのシーギリヤも同じような経緯で作られた王国跡だったと思う.権力者は罪を犯した後,何かでかくて奇抜なものを作ることによって罪を帳消しにしようとするのだろうか.寺院を作るということはそれが民のためになるということなのか?罪を帳消しするための名目だけ,邪念まみれの寺院でしかない.ただ,そのような邪念,狂気からあふれるパワーこそがダマヤンジー然り,シーギリヤ然り,歴史的価値,芸術に直結していることがなんともいない.芸術は爆発だという言葉がしっくり来る気がする.

造りはほかの寺院と同じであると思うが,寺院内の暗い廊下への光の指し方が,絶妙で怪しげな雰囲気を醸し出している.

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仏像が収められる予定だった空間?

地球の歩き方によると,未完成のままで本尊以外は収められていない個所も多く,将来仏像が収められるように作られた空間がたくさん残っているらしい.2年近く前のことを記載しているので,上の写真がその場所を意図して撮ったのかがわからなくて悲しい.装飾の感じからそんな感じがする.


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壁に描かれた僧侶の絵.なんとなく仙厓の絵みたいだ.

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珍しく2人の仏像が鎮座している.

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2体の仏像の裏には寝像が.

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寝相の拡大.繊細で美しい.いい表情をしている.

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なんとなく怪しい雰囲気がある廊下.

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ダマヤンジー寺院の廊下に映る自分の影.さすが心霊スポットなんとなく怖い.

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端正な仏像

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黄金の仏像と祈る人と女性 .

ダマヤンジー寺院の仏像は,普通の仏像のほかに2体一緒にいるものや黄金の仏像といった様々な種類があった.寺院を作った王の気合が感じられる.

 

12時40分 昼飯

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ダマヤンジー寺院の目の前の屋台で昼飯.ヤンゴン,ゴールデンパゴダ,エーヤワディー川下りの時はガイドと一緒に昼飯食べたし,マンダレーではタクシーの運ちゃんと飯を食べたので,なんだかんだこの旅に出てから初めて一人で英語の記載がない屋台に入った気がする.少し緊張したが,まだ10代であろう少年は真摯に対応してくれた.

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メニューはなく,取り合えずポークかチキンか聞かれただけだったので,ポークと答えたらめちゃくちゃ大量に出てきた.そしてこれは安くて非常に美味だった.(値段を覚えてないのが悲しい.)これ以降,屋台に慣れてしまいそこらへんに屋台があるとフラッと入ってしまうようになった.

よく東南アジアで生野菜は食べないほうがいいと言われているが,この時は平気で食べてしまった.腹が強ければそんなに当たることはないだろうと思う(タイでは思いっきり当たったが).メインは中央右のミャンマーカレー(ヒン)だが,それを取り囲むように大量のおかずが置かれている.おかずは全部日本人の口に合いそうなものであった.客は自分以外はいなくて,おいしそうに食べていたらおかずのお代わりをくれた.正直腹いっぱいだからいらなかったのだが,ありがたくいただき腹はパンパンに(笑).

 

13時 屋台出発

スラマニ寺院を目指し屋台を出発した.

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屋台のあるダマヤンジー寺院から北を目指す.特徴的な形のパゴダの方へ行く.写真左にはアーナンダ寺院の塔頂部が映る.

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先ほどの特徴的なパゴダ.なかなか大きい.ここの十字路で右に曲がる.

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パゴダ郡を横目に自転車をこぐ.

 

13時10分 スラマニ寺院着

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残念ながら改修中ではあるが,立派な寺院.写真に写るカップルの女性が美しい.モデルみたいな恰好をしている.

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寺院の中.造りはやはりほかの寺院と基本的に同じようだ.

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壁面に描かれた仏像.少し漫画のようなタッチだ.

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廊下の小さな黄金の仏像の隣には,ビルマ語で何か書かれている.いつ書かれたのだろうか.

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さらにその仏像の後ろには巨大な寝像の絵が描かれている.

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宇宙人みたいな顔だ.ほかにも数多くの絵画が壁面に描かれており,非常に面白い.

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仏像の横に描かれたブッダ

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荘厳な建築物と,その前に鎮座するブッダが描かれている.天国なのか理想郷なのか.いずれにしても美しいものだ.昔からずっとここに描かれたままの色褪せた絵画と,今咲き誇る鮮やかなお花の対比がなんとも言えない.花はすぐに散ってしまうからこんなに鮮やかで美しいのかと考えさせられる.

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今更ながら,ブッダの頭のとんがりは何なんだろう.仏塔はこのとんがりを示しているのか?

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ビルマ語?色褪せている.何が書かれているのだろう.

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像の絵.ミャンマーにも像はいるのか?ミャンマーでは像の絵はほとんど見なかったな.

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王と民?それともブッダと民?いずれにしてもブッダ以外の人が書かれているのは興味深い.日本でも平安鎌倉辺りの絵でこんな感じのものを見たことがある気がする.

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廊下.微妙な暗さが好きだ.

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外から撮影.たまたま太陽の光が神々しく映った.

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外の絵画.あまり見ないタイプの顔だ.インド人?いずれにせよ,悪者顔だ.

 

13時45分 スラマニ寺院発

ニャンラパット・ポンドの丘を目指して自転車を進める.人は閑散としているのに,ニャンラパット・ポンドの近くで少年が屋台を構えて水を売っている.自分が行くまで人はいなかったから椅子に座ってぼーっとしていたのだけど,自分を見つけるとすかさず近づいてきて,商売を始める.申し訳ないけど断った.しょんぼりとして帰っていく少年.ちゃんと学校とか行ってるのかなぁ.

 

13時50分 ニャンラパット・ポンドの丘着

ニャンラパット・ポンドの丘は丘と呼ぶには小さく,言ってしまえばちょっと大きめの近所の公園にある山レベルであった.人はほとんどおらず,自分が行く前にいた白人一人が自分と入れ替わりでいなくなった程度であった.

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パノラマカメラにて撮影.写真左の方に先ほどまでいたスラマニ寺院やダマヤンジー寺院などが映り,写真中央左に午前中に訪れたアーナンダ寺院やダビィニュ寺院などが映る.写真中央右はこれから訪れようとしているシュエズィーゴォンパヤー等が映り,写真右手にはバガンタワーが映る.バガンタワーは遠いと思っていたのにここから見ると結構すぐに行けそうに見える.ただ夕方までに,本当に行けるだろうか.明日の朝バガンを発ってしまう自分としてはどうしてもこの日のうちにバガンタワーに訪れて夕焼けを見たかった.
やっぱりこうやってみると本当にバガンは平たんだ.先ほどまで回ってきた遺跡群がほとんどこの小さな丘から目視できる.そして,地平を埋め尽くす遺跡群の多さよ.今でこそこんなに閑散としているこの辺りではあるが,昔は人でにぎわっていたのであろうか?

ニャンラパット・ポンドの丘は写真だけ撮影してすぐ後にする.ここからティーローミィンロー寺院を目指すのであるが,予想通り迷子になる.なんとなく方向はわかってるんだけどな...

 

名もない寺院にたどりつく.迷子になったついでに誰もいないから調子に乗って動画撮影してみる.

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客は自分一人.サンダルを脱ぎ,寺院へ入る.

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入り口の小さい門をくぐり中に入る.中は暗くて若干怖い.

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中に入ると一つ目の部屋があり,その先に仏像が見える.なんとなく,やせ細った感じの仏像か?

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仏像の正面までくる.思っていたような細々とした仏像ではなく,優しく美しい仏像だった.

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天井には光を取り込むための開口個所がある.こう撮ると仏像の顔が青白く恐ろしい.
お辞儀をして左へ進む.

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ぼけてしまったが,左を向くと開口と右側に隣の空間へ向かう廊下がある.

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右に曲がるとまた正面は開口である.その中央に仏像が鎮座する.

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二つ目の仏像.先ほどとはまた違った仏像で,表情もまた異なる.先ほどの仏像よりも力強そうだ.

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二つ目の仏像を過ぎる.構造は先ほどの仏像設置個所と同じで右側に廊下が続く.

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再びブッダのいる通り.

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三体目の仏像.最初の仏像の反対側にいる仏像になる.ポーズは最初の仏像と同じだが,表情はやはり最初の仏像とは違う.

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四つ目の仏像.二つ目の仏像と同じポーズ,表情をしているように思える.

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再び最初の仏像の前に来た.仏像に背を向けて,入り口を目指す.

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入り口の様子.自分のサンダルが映る.こんな小さな遺跡でも,他の寺院と同じように四方に仏像が鎮座していた.

 

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入り口にあった石碑.中国語と英語の記載がある.2005や,2009の記載があるので,比較的新しい寺院なのだろう.よく見ると,すべては読み取れないが2005年に復元された寺院であるようだ.また,シンガポール人が関わっていたようだ.

誰もいない遺跡で一人で動画撮影した後は,目的のティーローミィンロー寺院を目指した.

途中様々な遺跡を目にする.

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傾いた仏塔

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小規模だけど修復中である寺院

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フォルムが非常に美しい寺院

 

14時20分 Alodawpyae Pagoda着

そうこうしているうちに砂漠地帯を抜け,ニャウンウーに通じる道路へ出てくるが,やたら人が多い寺院があるので,そこに寄ってみる.後で名前を調べたら,Alodawpyae Pagodaと書いてあった.

 ここは,外国人観光客が少なくなぜか,ミャンマー人が非常に多かった.そしてものすごくにぎわっていた.ミャンマー人にご利益があるお寺なのか?

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寺院の建物の中は撮影禁止だ.だから何があったかは覚えていない.美しい仏像があったと思う(適当).

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建物の頂部は黄金だ.

ここではアイスが売っていた.あまりの暑さに挑戦してみようと思ったが,色がすごく奇抜だったのでやめておいた(笑).

 

地図で見たら,Alodawpyae Pagodaから目的のティーローミィンロー寺院は北方向に延びる1本道で行けるのでモデルコース通りの正しいルートを通っていたようであるが,当時は変なところに出てしまったと思い,再び迷子になる.

 

14時50分 Shwe Leik Too着

ティーローミィンロー寺院かと思って立ち寄った寺院.

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黄金の服をまとった像が印象的.ただし,写真からこの寺院がどこであるかを検索して調べたら,この寺院の同じ仏像でえんじ色の服を着た仏像が出てきた.つまり,以前はえんじ色の服であったが,最近金色に塗りなおされたようであった.

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この像もえんじ色の服を着ている写真がネットにあった.

 

15時 ティーローミィンロー寺院着

やっとのことでティーローミィンロー寺院にたどり着いた.いろいろと立ち寄ったこともあるが,地球の歩き方で自転車で15分と記載のあるニャンラパット・ポンドの丘~ティーローミィンロー寺院間を1時間かけてたどり着く.

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寺院の前で撮影.かなり大規模な寺院だ.

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内部の様子.ほかの寺院と比較してかなり洗練された印象があるが,実際先ほどまで訪れていた寺院のほとんどが12世紀建設であるのに対して,この寺院は13世紀建設だ.

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仏像は金色.仏像が座っている台座も立派なものだ.寄付箱に大量の寄付金が入れられている.さすがミャンマーブッダはなんだか眠そうだ.それでも永久に寝ることを許されていない.

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4体いる仏像のほかにも像が配置されている.これも黄金.

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地球の歩き方にもあるが,建物は2層になっている.登りたい.

 

15時15分 パヤーンガーズー寺院群(と思われる寺院)着

ティーローミィンロー寺院の隣の寺院群(と思われる寺院)を見学する.

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寺院群というだけあって多くの遺跡がある.

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まるで住宅みたいだ.

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一つだけかたーむく古い寺院だね.恋を夢見る頃~♪

替え歌は置いといて,窓の部分にそっと置かれた壺が好きだ.

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日本人も修復に寄付しているんだ.

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珍しい表情の仏像.妙に親しみを覚えるのはなぜだろう.

パヤーンガーズー寺院群では久々に日本人を見た.お母さんと旅している若い女性だった.なんで,こんな寺院を見に来たのだろう.この寺院群には緑の絵画があるらしいからそれを見に来たのだろうか.そういえば,見るの忘れたな.(ここが本当に地球の歩き方に載っているパヤーンガーズー寺院群だったのかは不明.)

 

15時30分 パヤーンガーズー寺院群(と思われる寺院)発

シュエズィーゴォンパヤーを目指し出発.宿があるニャウンウーの方向へ来た道を戻る.いい時間になってきた.夕日をバガンタワーで見るためにシュエズィーゴォンパヤーで時間調整しようと思った.

 

15時40分 シュエズィーゴォンパヤー着

シュエズィーゴォンパヤーへは非常に長い屋根付きの参道みたいなものがあるが,道路に面した入り口からは入らず参道の途中に自転車を止めてそこから入る.ほかの人もそうで,参道の最初の入り口部分から入る人はほぼいないと思われる.

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長い参道の入り口方向を撮影.誰もいない.整然と並んだ柱の上の壁にビルマ語で何か記載されていて,雰囲気が出ている.ここから写真とは反対方向の中心の方に進むと,露店の土産屋がたくさんあり,ミャンマーにしてはしつこい接客をしてくる.最初そこから入ったが,一度入り口の方に逆走してみた.

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仏塔の目の前になると人が多くなってくる.造りは入り口と変わらない.

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これが,シュエズィーゴォンパヤーだ!久々に見た黄金の巨大な仏塔.雲一つない空が藍色で,まるで宇宙に浮かんでいるかのようだ.ヤンゴンのシュエダゴンパヤー然り,バガンの仏塔群然り,どこも修復中で建物の周りが仮設で覆われていたが,シュエズィーゴォンパヤーはきれいな姿で出迎えてくれた.それだけに感動がでかい.

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仏塔の周りの装飾も美しい.ただ,シュエダゴンパヤーに比べると,仏塔の周りの道というか敷地が狭く,あまりに大きいシュエズィーゴォンパヤー全体を写真に収めるのに大分苦労した.

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仏塔以外の構造物も見事だ.数層からなる屋根がマンダレーの王宮でも見たような形だ.

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傾いてきた太陽とシュエズィーゴォンパヤー.立派なシルエットだなぁ.太陽がかなり傾いてきている.気持ちよくて日陰で休憩していたが,そろそろ行かなくてはいけない.どうしてもバガンの夕暮れをバガンタワーから見たいのだ.明日は早朝に出発してしまうので,夕日か朝日を見られるのはこの夕方がラストチャンスであった.足は自転車.ライトは着いていない.そしてミャンマーの片田舎の道路の街灯なんて期待できない.なにより犬が怖い.バガンタワーで夕日を眺め,日没前には宿に戻らなくてはいけなかった.

 

16時10分 シュエズィーゴォンパヤー発

バガンタワーを目指してシュエズィーゴォンパヤーを後にする.ここからは小説風に.

 

バガンの夕暮れ

 

 夕暮れの道,バガンタワーを目指して自転車をこいだ.空港行きの幹線道路.路肩は舗装の上に乾いた砂が堆積している.木陰はすでに暗い.だけど,熱帯特有の暑さが夕暮れになった今でも僕を包んでいる.自転車にはライトは着いていないし,道に街灯なんかない.日が暮れてしまったら当たり前だけど夜が来る.強く感じた.夕日と自転車の競争だ.僕はひたすら見えないタワーを目指して,くすんだミャンマーの夕暮れオレンジ色の道を進む.シュエサンドーパヤーからはずいぶん自転車をこいだはずだ.途中,ショートカットしようとして通ったゴルフ場近くの道では迷子になり,砂の道をふらふらと自転車で進んだ.日中ニャンラパット・ポンドの丘からはずいぶんバガンタワーは近くに見えたのに,これだけこいでもたどり着かないものか.夕暮れは人を不安にさせるからか,異国の地で突然ありもしない幻を目指しているような気分にさせられる.人がほとんどいない道端でたまたますれ違った一人の少女にタワーの場所を聞く.一日自転車をこぎ続けて真っ赤になった汗だくの外国人を不審に思うかもしれないがもうそんなことはどうでもいい.言葉は通じなくていい.心さえ通じれば.この道で間違いない.途中で右に曲がるようだが,結局どこかわからない.走り続けるしかないか.半ばやけくそで進むと,分岐があり直感的にそこを右折する.方向的にはあっているはずだ.道が長い.やたら坂が多い.息を切らしながら進むと,右手にやっと目指していたバガンタワーが現れる.乱開発で世界遺産の妨げになっていると言われる悪名高きバガンタワーが僕には神秘的に見えた.だってバガンの平地にポツンとそびえるタワーがこんなに間近に来ないと姿を現さないのだから.

 自転車を止め,タワーのエントランスに入る.入館料を払うとウェルカムドリンクなんてしゃれたもんだ.ぼろぼろの僕には不釣り合いと思って一気に飲み干す.単純に猛烈な暑さの中,自転車をこいできてのどが渇いていたのもある.エレベーターに乗り,タワーの展望台を目指す.展望台はすでに夕暮れのバガンを見ようとしている白人観光客でいっぱいだ.

f:id:yaseinoosamu:20200503181747j:plainそういえば,この日は2019年2回目の夕暮れだった.僕は背が低いのでよくは見渡せなかったが,そこには確かに低い角度から僕らをまっすぐに刺す夕日に同じく刺された,逆光で黒くなったバガンの遺跡群があった.

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オレンジ色のかすんだもやの中に浮かぶ無数の城であった.シュエサンドーパヤーはより黄金に輝いていた.

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日本から遠く離れたバガンの地で1000年近く前に築かれた遺跡群が今,まだ自分の眼下に存在していることを確かめて思わずため息が出る.写真を撮った.夕暮れのバガンを背景に舞っているかのような鳥が映った.

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みんな夕日が山の向こうに落ちるのを待っている.バガンの地平線に夕日が落ちる瞬間はどれだけ美しいだろうとは思うが,自転車で来た僕は一足先にエレベーターを降り,帰路に着く.僕は十分いいものを見た.

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行きとは違ってゆっくりとかみしめるように宿を目指して進んだ.さっきの少女にグッドのジェスチャー.思わずこぼれる笑顔に生きている喜び感じる.ニャウンウーの宿に着くころにはもうほとんど日は落ちていた.後ろから来る車ほとんどにクラクションの合図をされながら,にぎやかに宿へたどり着く.荷物を置いてからご飯を食べに夜のニャウンウーの町に繰り出す.ふと目に入り入った半分屋台のような食堂で英語メニューを求めるが無い.店員の少年にも英語はほとんど通じない.字は読めないし何が出てくるかわからないので,しょうがなくメニューに写真が載っていたものを指さして注文した.食も冒険だ.与えられたら受け入れよう.一日中自転車でバガンの遺跡群を巡りおなかが空いていたので,炒飯みたいなコメを食べたいと思って注文したつもりだったのだが,出てきたものはマメであった.

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バガンの夕暮れ 完

 

ということで,バガンタワーまではかなり苦労していった.方向的にここだろうと思って入ったところがゴルフ場で行き止まりであったり,砂の道で自転車が全然進まなかったり.そもそもバガンタワーに自転車で行く人はいないようだ(笑).シュエズィーゴォンパヤーを出たのが,16時10分頃だが,バガンタワーの展望台に着いたのは17時10分.途中で休憩したわけではないのに1時間近くかかってしまった.バガンタワーは確か,展望スペースが2階か3階あり,エレベーターでたどり着くところが,ガラス張りの展望室.

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こちらは空いているが,さすがにガラスだから写真を撮るとどうしても反射してしまう.その上に行くと屋外の展望デッキみたいな感じになっているんだっけな?とにかくここは人が多くて,ゆっくりは見られなかった.

やっぱりバガンの夕暮れは素晴らしい.バガンタワーから見る遺跡群は夕暮れの場合は逆光だから,朝日はオレンジ色に照らされてそれはそれでまた美しいんだろうなと思う.いつかまた来たい.

17時30分に20分程滞在したバガンタワーを去った.夕日が完全に落ちていなかったから帰る人はまだほとんどいなかったが,自分は自転車で来ていたので帰りの時間を考えると早めに帰るしかなかった.宿に帰るころにはすっかり暗くなって,早めに出てよかったと思った.

18時30分頃に夕飯.英語が通じずボディランゲージで豆を頼む.うまかったがあれはつまみだ.しょっぱかった(笑).夕飯を食べた後に宿の前の商店で酒とつまみを買う.すっかり黒くなったせいか,店主のおっさんにミャンマー語で金額言われて,は?って顔してたら,そうかそうか見たいな感じで電卓に金額入れて見せてくれた(笑).なんかほっこりした.

 

こうして書くと,かなり長い一日だったな.

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バガンでの一日(Google Maps 利用)

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オールドバガン詳細(Google Maps 利用)