コロポックルの手帳

20代後半,独身,モテない,男が好きなことを書く.

GW旅行inタイ11~Hell Fire Pass 孤独なキャンプ~

※5月5日の朝だけ現地でバスを待つ間に書いたメモが残っていた

 

5月5日(日)

----現地メモここから

7時 朝飯

腹の調子が悪い.”食後”を守るため,早めに宿の朝飯を食べる.その後宿でグダグダする.

8時50分 宿出発

カンチャナブリーのバスターミナルへモーターサイ※1で行く.

行きも帰りも電車でよいかと思ったが,味気ない感じがするので急遽ヘルファイヤパスに行くことに※2.

昨日の夜から続いているダイアリアが少し心配.Tみたいに漏らしたくない※3...

  

9時 バスターミナル着

ヘルファイヤパスは通じなかったが,地球の歩き方に載っていたタイ語を見せたら伝わって,バスに通される.

ダイアリアもそうだが,7日間縛りのSIMも切れてしまったようだ※3. ダイアリアと同様不安.GPSのみ使えるのが唯一の救い.

バスはエアコンがなくて暑い※5.いつでるのだろう...

 

 

9時24分 バス出発(現地メモはここまで)

----現地メモ終了

 

※1

バイタクのこと.ミャンマーではモーターサイクルがなまり,モーターサイと言うようである.

※2

Hell Fire Pass:泰緬鉄道のクウェー川鉄橋と並ぶ?難所.鉄道を通すために大きな崖を切り崩すした箇所.カンチャナブリー駅からナムトック駅まで電車行ってそこから再び電車で帰ってくるのはつまらないと感じたので,行きと帰りで違う交通手段を使うことに.バスで行く場合,Hell fire pass という名所も見られるようなので,そこによることにした.次の日の夜のフライトであったので,この日のうちにバンコクに帰ってやり残したことをする予定であった.

※3

初日にバンコクで飲んだ会社の同僚Tはその後ラオスに行き,屋台で腹を壊し,翌日歩いているときにうんこを漏らしたらしい.その前日にも腹痛との戦いに勝ってギリギリホテルにたどり着いた,的なラインが来ていたが,翌日は耐えきれず漏らしたようだ(笑).漏らしたあと慌ててカフェのトイレに入り,慌てすぎてカフェの花瓶をぶっ壊してしまったが(詳細は不明),トイレでパンツを捨ててノーパンで涼しく過ごしたぜ,みたいな連絡を受けた.

※4

タイに来た当初何泊するとか特に考えておらず,1週間分のSIMを買っていたのだった.ホテルを出るまではスマホ調子悪いなぐ来にしか思っていなかったので,地図やHell fire passに関するページを保存しておくのを忘れていた.ここで書かれている不安が,この日的中することになる...宿のwifi環境下でページの保存等をしておくべきであった.なお,マップを保存していなかったのでGPSが使えても意味がない.本当にGPSだけ使えたのか?

※5

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バスは無駄に派手だが,エアコンがない.ローカルバスではあるが,バンコクの時と同じように料金回収係の女性が乗っており,出発後行き先を伝えるとお金を回収される.30バーツぐらいだった記憶がある.降り場がわからなくても係の女性が気を使って手招きしてくれることもあるので,非常に安心した.バスの中は多分自分以外全員タイ人.

 

ということで,バスに乗ってから30分後ぐらいに出発したようだ.

バスはカンチャナブリーを出発すると,さらに奥地の方に進む.何もない,草原といか,低木が生えているエリアをしばらく進み,山の中に入る.

途中,イミグレーションがあり,兵隊みたいな服を着た人が入ってきた.タイ人は個人カードを提示していた.俺はパスポートを見せて,行き先を伝えたら大丈夫であった.一瞬”Hell fire pass”が飛んでしまって,口ごもっていると

"Where are you going?"

と怖い目で問い詰めてきてビビったが,ちゃんと答えるとここから15分ぐらいだと教えてくれた.

 

11時 Hell Fire Pass着

山道を登った後に少し現れる平らな箇所に突然,入り口が現れる.降りたのは俺だけ.降りる直前に料金回収の女性が手招きで教えてくれた.1時間半ほどバスに乗っていたようだ.

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突然現れる無駄に広い土地.

ゲートに入ったものの,どこに向かえばいいかわからない.

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ゲートから敷地内道路を5分程歩いて,再びゲートを撮影.日光を遮るものの無い炎天下の中,歩く.

突然,ゲートから入ってきた車が,自分の目の前で止まる.運転席の窓が開き,サングラスをかけた女性が,

”どこ行くの?”

と聞いてくる.

”ヘルファイヤパス”

と答えると,

”私たちと一緒だから乗りなよ.”

と誘ってくれる.

シボレーのきれいなセダンに乗っていた.上の写真の右側に映っている車だと思う.悪い人ではなさそうだが,中を一応確認する.家族連れで,助手席に旦那さん,後部座席に娘さんが乗っていた.家族連れなら問題なさそうなのでお言葉に甘えて車に乗ることに.エアコンが効いていて涼しい!

夫婦は英語がペラペラでいろいろと聞いてくる.どこ出身だとか,今までどこ行ったとか,これからどこ行くとか.明らかに高等教育を受けた富裕層なんだろうなっていう上品さが伝わってきた.理由は聞かなかったが,日本にも結構詳しく,タイの国王の話をしていると,日本も同じタイミングで天皇が変わったねと言っていた.ヘルファイヤパスの後は温泉に行くらしく,"Onsen"ってワードまで出てきた(笑).

バンコクに住んでいるが,娘さんの大学がカンチャナブリーの近くにあり,送るついでに旅行をしているようであった.娘さんは自分の隣に座っているがおとなしい子であった.

 

すごくいい方々ではあったが,しばらく走ってもヘルファイヤパスにはたどり着かない.無駄に森の中を走る.

”あなたはこれ本当に歩く予定だったの?”

みたいなこと聞かれたりして,確かにと思うと同時におかしくないかと思い始める.スマホが切れていなければ,すぐ調べることができたのに.地球の歩き方にもバス停からの距離や,地図は書かれておらず(欄外),車に揺られるしかない.さらにしばらく進んだあと,助手席の旦那さんがナビに使っていたスマホを見て

”ファっ”

って言う.どうやら悪かったのはスマホGPSだったようで,

"This GPS is Crazy"

みたいなことを言う.正しいところを調べなおすと,かなり通り過ぎていることがわかり,奥さん大爆笑.つられて車内全員が大爆笑!なんとも和やかな雰囲気になった(笑).

旅のミスをみんなで暢気に笑い飛ばせる雰囲気に,独身,彼女無し友達少で仕事ばかりの俺が久しく味わっていなかった家族のようなあたたかさに触れた気がして幸せな気持ちになった.

 

笑った後,家族にはごめんねぇっなんて言ってもらったけど,こんな楽しい思いができたことをむしろ感謝したく思った.俺はこの車の中の幸せな時間がもっと続けばよいとさえ思った.

 

結局30分ぐらい無駄な,でもかけがえのない楽しい時間をすごし,同じ場所に戻る(笑).ヘルファイヤパスの入り口は,車に乗せてもらった個所から500m程度の個所だった.なんで誰も気が付かなかったのか(笑).再び一同大爆笑.

車から降ろしてもらうと,さよならと感謝を伝え,家族と別れる.こんな時に”楽しかった”や”ありがとう”みたいな簡単な感情だけではなく,普段仕事で辛いので久々に幸せな瞬間を味わえたこと,この出会いを本当に大切にしたいこと,体に気を付けて幸せな人生を送って下さい等の複雑な気持ちを伝えられればと思う.もっと英語が上手であれば...ただただ,もどかしい.

あとは,感謝の気持ちをお金以外で簡単に分けてあげられるものがあればと思う.今思いついた.次回から海外旅行の際は日本の飴ちゃんを持ち歩こう(笑).

 

11時30分 ヘルファイヤパスの博物館着

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建物は新しくきれいだ.博物館で一通り,資料を読んでからヘルファイヤパスへ向かう.やはり,ここに一番来るべきである日本人はいず,タイ人と欧米人だらけだ.

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博物館の裏手からヘルファイヤパスに向かう.

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階段を降りると開けた個所にたどり着く.おそらくここも,日本軍によって切土された箇所で,中央に線路が通っていたのだと思われる.

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10分ほど歩きヘルファイヤパスに到着.手前の線路には一部線路がある.この崖を人力でこの灼熱の中で切り開いたのか...今は観光客でにぎわっているが当時はただのジャングルで労働者たちは絶望的であったことがうかがえる.

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ヘルファイヤパスについての説明の掲示.要約すると以下の通りだ.※英語力の低さ故の誤訳に注意.

ヘルファイヤパスは1943年の中頃,日本兵がタイトなスケジュールで工期を守るための”Speedo”段階に入った時の過酷な労働環境から名付けられた.

仕事は夜まで続き,現場ではオイルランプと竹を燃やす炎によって照らされた.その点滅するような光と,岩を削る音,食べ物も与えられずに足を引きずるなん百人もの捕虜たちの光景はまさに地獄のイメージそのものであった.

 

Speedo”というのは泰緬鉄道博物館でも見た気がする.日本人が口にするへたくそな英語の,"Speed"を揶揄するような記載であると自分は解釈した.

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70年近く前に掘ったままの崖と,線路のあったと思われる場所に立っている大きな木の対比に,過ぎた時間を感じずにはいられない.

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Burma - Thailand Railway 1942-1945

In remembrance of All Those Who Suffered And Who Died.

~泰緬鉄道で苦しみ,亡くなった人をしのんで~

日本の国旗は当然掲揚されていない.

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上にも上ることができる.下に映る人と比べることで切り開いた崖の大きさがわかるだろうか.

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この碑によると掘削は2セクションあり,25mの深さの個所が73m,8mの深さの個所が450mも続いている?

行きと違うコースで博物館に帰る.20分近く歩いた.水を買い,ヘルファイヤパスを後にする.こんな,灼熱のジャングルに交通も不自由な戦争時代に連れまれると思うだけで発狂しそうだ.ジャングルに迷い込んだまま抜け出せない70年前の霊がさまよっていそう不思議な感じがした.

 

12時40分 ヘルファイヤパス発

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移動するといっても,タクシーなんかいないので,1時間に1本のバスを待つしかない.この道路を通るバスはすべてナムトック駅に行くはずなので(方向さえ合っていれば),バスが来たらすぐに反応することが必要.ヘルファイヤパスから200,300m歩いた先にある東屋のようなバス停でバスを待つ.当然のごとく,待っている人は俺以外にいない.ただ,白人男性がHell fire pass入り口の前でバスを待っていた.話しかけたけど,あんまり話したくなさそうだったのでやめた.

ナムトック駅12時55分発の電車はもう間に合いそうにないが,最終の電車はその次の15時30分であるので,3時間近く余裕がある.待っていると10分程でバスが来る.すぐに反応して手を振るのだが,バスは行ってしまった...そんな.また1時間待つのか...乗ろうとしている方向と反対方向のバスはこちらに気が付き,俺にクラクションを鳴らしている.違う.そっちではないんだ...

ちなみにタイでバスに乗るときは,手を上に降るのではなく斜め45度ぐらい下に構えて振るようだ.ワッキーの芝刈り機を片手でやればよい.

 

バス停のバスの時刻表なんかあてにならない.1時間に1本って情報だけがあるから,さっき通過したバスの時間だけが目安だ.スマホがないとこんなにも不安であるのか.

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すごく暑いが,東屋みたいな建物であるので,待っている分には問題ないことだけが唯一の救い.時間はあるんだ.根気強く待つことに.

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待てども待てどもバスは来ず,というか待ちきれず,先ほどの家族に乗せてもらった冷房付きの快適な車が忘れられず,途中でこんなものを作ってみたりもする.さすがに俺にヒッチハイクはできん.

しばらく待つと,反対方向のバスがまたクラクションを鳴らし,通り過ぎていく.そろそろかと思っているとき,やっと目的のバスが来る.今度は俺の存在に気が付き乗せてくれた.ナムトック駅だと係のおばちゃんに伝えるが伝わらない.おばちゃんは英語が全くなようで,ほかの乗客に助け船を出す.ただし,英語がわかる乗客も??みたいな感じ.仕方なく,ナムトック駅の近くの近くのサイヨークノーイウォーターフォールと伝えると,乗客は国立公園に行きたいのかって感じで理解してくれて,おばちゃんに伝えてくれる.ちなみにサイヨークノーイウォータフフォールというナムトック駅から1㎞程の観光地に寄らずに,ナムトック駅に直接バスで行こうとしたのは,”ナムトック駅 犬”で検索した成果だ.滝からナムトック駅まで線路を歩いて行けるが,野犬の群れに威嚇されるという情報を入手していたので,恐ろしくてバスで直接行きたかったのだ(笑).結局犬エリアに行かなくてはなのかと,少しおっくうになった.後ろの方の空いている席に座り,着くのを待つ.バスには20分程乗っていただろうか.目的地が近くなるとおばちゃんに手招きされ,前列のシートへ移動.

おばちゃんに感謝を告げてバスを降りると,サイヨーク国立公園の看板があるところに田舎のバス停であった.こんな感じだったっけ?と思って立ちすくんでいると,トゥクトゥクの運転手に声を掛けられる.公園はすぐそこだぜ.っていうので,そのまま乗せてもらう.この運転手,30過ぎぐらいの黒いマスクをかけた運転手で,道路を横断するのになかなかタイミングがわかならないへたっぴな運転手でかわいかった(笑).

 

トゥクトゥクに乗っていると,突然国立公園のゲートが現れ,入場料で300バーツも取られる.そんな情報聞いていないぞ!そしてトゥクトゥクは再び走り始める.なんか遠くない??

 

14時20分 サイヨーク国立公園 ビジターセンター着

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やっとこさたどり着いた国立公園のビジターセンターに入り,状況を確認する.

なにっ!…ぬねの.

 

サイヨークノーイ滝を目指してやってきたのであるが,名前の似たサイヨークヤイ滝にたどり着いてしまったようだ. チーン.

インフォメーションのおばちゃんにその旨を伝えると,苦笑いされる.今からナムトック駅まで行けるかなって聞くと,行けるけど終電がそろそろ終わっちゃうから厳しいのでは?と言われる.

今からカンチャナブリーにバスでは十分に帰れるが,泰緬鉄道に乗れないではないか.だったらあと一日あるのだから今日バンコクに戻らなくても,ここのあたりで泊まって明日鉄道に乗って帰ろうかとすぐに気持ちを切り替えられた.というか,おばちゃんにそうしたらッて言われた.ここらへんで泊まれるところはあるかって聞くと,

”無い.”

って言われる...え?無いんかい.終わった.ただおばちゃんは続けて,

”ただし,そこでキャンプはできるよ”

って教えてくれる.やけくそじゃい.キャンプしてやる!

”キャンプ用品はあそこの公園本部で借りかられる”

って言うので,さっそく公園本部へ.

 

キャンプしたいことを伝えると,スタッフのお姉さんが対応してくれる.え?すげー美人.タイのこんな田舎なのに.日本人みたいでタイプです...あなたとキャンプがしたい.とは言えず.国立公園スタッフってことは公務員か?英語も上手だった.さばさばした感じであったがたくさん話したくて,寝袋とか必要なの?とかいろいろ聞いてしまった.パスポートをデポジットして,いざキャンプへ.

キャンプはスタッフが設営してくれて,さらに片付けもしてくれるらしい.さっきのお姉さんとは別の作業スタッフ(バイトの子供?)3人とキャンプ設営.3人のうち一人が女の子で気の強そうな感じでリーダーっぽかった.

どこでキャンプをしたいか聞かれ,答えらえないのでお勧めは?って聞くと,トイレに近いところがよいって言って,ここでいいかって聞かれてから設営を始める.女のスタッフは歌いながらテントを設営してくれた(笑).仲良くテント設営をしている.見ていてほほえましい.テント作りが終るとスタッフは何も言わずに去っていく.

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今日はここを宿とす!中はくそ暑い.荷物をテントに置き,とりあえず公園内を散策する.

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敷地内地図.正直公園は狭くてしょぼい.

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タイ人は川で泳いで遊んでいるが,水着の無い俺は汚れるから泳ぎたくない.こんなところにも国王のイメージカラー黄色を守り来ている家族が.

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サイヨーヤイ滝も小さい.

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吊り橋.すぐにテントに戻り,そういえば,飯を食べていないことに気が付く.早速公園内の飯エリアへ.ここでは外人に慣れていないのか,初めて入った店では”English menu”って言っても,”No.どっか行け!”みたいな冷たい反応をされて,ショックを受ける.隣の店のおじさんは優しいが,全く英語が通じない.メニューを指さし,注文が通ったのかよくわからなかったが,腹が減っているので何としても食べるぞという強い意志で勝手に席に座っていたらちゃんと料理が出てきた.

 

15時30分 昼飯

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麺かと思ったけど麺ではない,謎の食べ物を食べた.とりあえず,飯が食えてよかった.

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テントに戻る.生活感あふれるテントになった.ここで腹痛が復活したので安静にする.暑いテントの中で本を読みながらひたすら時間をつぶす.まだ日は暮れていないがこの日やることはもうないのだから.くそ暑いと思っていたテントも,テントの窓を開けると,意外と風が入ってきて快適だった.後は夕暮れまで森のマイナスイオンを浴び,タイ人たちの遊ぶ声を聞きながら,テントに引きこもり静かに読書をする.

 

谷川俊太郎,夜のミッキーマウス.詩集だ.非常にシュールであるが,タイの山奥でなぜか一人でキャンプをすることになった自分の孤独に寄り添ってくれる気がして夢中になって読んだ.そうしているうちに日も暮れた.周りにキャンプをしている人なんていないので,日が暮れると人がいなくなり非常に寂しい.自然を感じた.会社生活を忘れさせる,なんか記憶の底にあるような雰囲気の.

 

ダイアリアが怖かったので,夕飯は食べなかった.というか食べるところがなかった.そして,夜になると野犬の動きが活発になり恐ろしい.遠吠えが聞こえるたびに,恐怖を感じた.テントの横をすぐそばを犬が通った時は,できるだけ存在感を消すように頑張った.そんな中でも,おなかは痛い.すきっ腹だからよくないのだが最後の腹痛薬を飲む.それでもトイレに行きたくて暗闇の中,おそるおそる近くのトイレに行く.

自分場合はダイアリアだけだし,トイレに入ってしまえば一応明るいからいいが,戦時中の労働者は本当に怖かっただろうな.敷地内にも泰緬鉄道の跡地があったので余計にそんなことを感じながら寝ようとする.

 

やはり自然の音だけが聞こえる.

Hell fire pass で車に乗せてくれた家族の温かい記憶を布団に,夢うつつ心だけははるか昔のジャングルをさまよった.

 

 

このようにして私は相応しいキャンプデビューをしたのだ.(これが実は人生初キャンプ(笑))

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Google map より.