コロポックルの手帳

20代後半,独身,モテない,男が好きなことを書く.

初めての海外一人旅 ミャンマー3 ~ガイドと旅人と地元民と~

12月30日
 
5時 起床
弟ガイドのスマホで目が覚めた.こんなに朝早く起きたのは,朝再度ゴールデンロックを見に行くためであった.
風呂場で扉を開けながらひげをそっていると,弟ガイドが珍しそうにじろじろ見てくる.”コラっ”て感じで言ったらえへへって言って見るのをやめた.ミャンマー人はいまだに剃刀でひげをそるのか?
 
準備ができてから外に出るとまたしても,人・人・人.どうやら弟ガイドとおじさんドライバーはこの状況でさすがにあきらめたらしく,引き返しゴールデンロックとは逆の方向のトラック乗り場へ.”ゴールデンロック行かないの”って言うと,”すまん無理だ”みたいな感じのことを言っていた.計画性ないな~.まぁ昨日見たからいいっちゃいいんだけど.
 
5時30分 トラック乗車
トラック乗り場ではそんなに待たずに乗ることができた.しかも帰りは行きと違い,特別にトラックの助手席に座った.あとで地球の歩き方を見たら一応大目に料金を払えば助手席に乗ることができるらしい.

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助手席から正面を撮影.トラックが動いているのに正面に人の群れが.

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ラクションとハイビームで無理やり人をどかしながら進む.猫バスに乗ったさつきちゃんが,
”樹が避けてるっ!”
って言ったシチュエーションが人に対して起こっている.って言えるくらい,人身事故が起こらないギリギリの範囲でトラックは走る.
人が歩いている個所を抜けると,またありえない山道.シートベルトなどないので死ぬ気で座席にしがみついた.そのため,写真など撮影していない.
 
6時15分 麓のキンプンに到着.

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さっきまで乗っていたトラックと弟ガイド(右).
おじさんドライバーのタクシーに戻る.

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タクシーを掃除するおじさんドライバー.意外ときれい好き?おじさんドライバーもロンジーを履いている.
 
6時30分 キンプン出発
おじさんドライバーの車でヤンゴンに向けて出発する.弟ガイドはこれから滝を見に行くだとか,仮眠するだとかいろいろ言っていたが,最終的にはヤンゴンにまっすぐ帰ることになる.彼は本日の昼からヤンゴンで大学のサッカーの試合があったのだ.この計画性の無さ(笑).
キンプンは頂上に行くトラックを待つ人が多いため,山頂でトラックに乗った時と同じような状況に.

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タクシーが進まないこと.下(キンプン)はまだ交通整理員がいるからましか.こんなところに,ツアーも組まずに日本人一人できたら心折れるだろうな.多分,自分が一人で行ったとしたらゴールデンロックを見に行かず,キンプンで諦めて引き返すだろう(笑).そんなカオスな状況.年末年始にゴールデンロック行く人は多少お金がかかってもミャンマー人のツアーガイドをつけることを強く勧める.

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日本フルハーフ株式会社!?乗りたいときに,乗るクルマには確かに大量の人が乗っている.

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タクシーの横の窓全開.こののろのろ運転でこの人の群れ,治安の悪い国だったら,車に人が群がり荷物を盗られてしまいそうだ.ただ,ミャンマー人にはそんな雰囲気の人はいなかった.そもそも,ここに来ている人はみんな徳を積みに神にお祈りに来ているのだ.そんな悪いことをするはずもない.寒さに耐性の無いミャンマー人.そんなに寒くはないのだがダウンを着ている人までいる.
 
7時30分 朝飯
人混みを抜け,車を30分程走らせたところで朝飯.雰囲気としてはサービスエリアみたいなところか?写真を撮っていないのが残念.

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なんか,主食ばっかりだな(笑).飯はうまかった.なぜか朝からウイスキーを飲んだ.弟ガイドにミャンマー人は何歳から酒飲めるのって聞いたら,18からって言ってた.後で調べたら,20からだった(笑).まぁ日本の大学生も同じかもしれないけど...
ストレートで並々注がれて,1杯飲みほした後,また注がれそうになり,”もう十分だ”って弟ガイドに言ったら,Only tasting?みたいなこと言われた.アルコール度数的に十分なの!子供だからわからないのかもしれないが.おぬしもあんまり飲みすぎるなよ.
そして,飲酒運転しないさせないヨシッ!飲酒運転しないさせない...ヨシ....
 
弟ガイドが出る前に,仮眠がどうたらって言っていたが,結局仮眠などせずに,ヤンゴンに向けて出発する.酒は入ってたし疲れていたが,シートベルトも無いし,窓全開だし一睡もできない恐怖のドライブ.なんだかんだこんな危険な状況も楽しくなってしまうのが東南アジアの雑でいいところだ.
行きもそうだったが,ミャンマー人の生活が近くに感じられるタクシーからの車窓は非常に興味深く,どこの町かはわからないが動画を撮りまくる.

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屋台とその周辺をタナカをつけて歩く女性

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客を待つサイカー?(自転車の横に人を乗せる乗り物)の運転手

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バイクに乗る見返りタナカ美少女.正装しているように見えるが,家族でお祈りにでも行くのだろうか.かわいい.

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片桐運輸の車は日本で使用後もミャンマーにて大仕事.なんかの草をはこんでいた.
 
11時30分頃 ヤンゴン郊外の大学到着
弟ガイドは本日サッカーの試合があるのでここでお別れ.兄ガイドが弟ガイドの試合着をもってここまで来ており,ここでガイド交代.弟ガイドに別れを告げる.お兄さんは英語もうまいし,いろいろ知っているから楽しんでくれ,ありがとうって言われた.今まで聞いていなかったが,別れ際に初めて名前を聞いた.弟ガイドの名前は”ココ”だった.ココ君はすげーいいやつだった.
 
昨日契約したプランではゴールデンロックの観光と,ヤンゴン観光一日で夕方にアウミンガラーバスターミナルまで送迎だったのでこれから兄ガイドによるヤンゴン観光ツアーが始まる.
シュエダゴンパゴダなどの仏閣は後回しにするみたいで最初はヤンゴンからヤンゴン川を渡って向かい側にある,古い街並みに行くということであった.

 

12時頃 船着き場着f:id:yaseinoosamu:20191109123321j:plain

久々におじさんドライバーの車を降りる.ヤンゴンはやはり今までのチャイティーヨーと比較すると暑い.パンソンダン埠頭という船着き場に向かう.パンソンダン埠頭から船に乗り,対岸に向かうのだがどうやらこの船は日本の支援で作られた船のようで,日本人はパスポートを見せれば無料で乗ることができるようだ.乗船するときは確か外国人は乗船名簿に名前を書かなくてはいけない.Japanと書かれた人も何人か乗っているのが確認できた.ちなみに,2019年~2020年の地球の歩き方にはヤンゴン川より南の情報が全く載っていない.スーレーパゴダの近くでせっかく日本人は無料で乗れる船があるのであるのだから載せてほしいものだ.(ただし対岸に目玉となるような観光地はと思う.)
 
乗り場の係員と兄ガイドが話している.乗り場の係員のおっちゃんがその目はどうしたんだと,赤くなっている自分の目のことを聞いてくる.こすったんだって言ってもよくわかってもらえなかったが,いずれにしても安いやつでいいからサングラスして守ったほうがいい.みたいなことを言っていた.ミャンマー人はおせっかいだ.

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ヤンゴン川上からの景色.奥に映るのはヤンゴンの中心街.船では外の席に座る.とは言え,常設の席があるわけではなく,簡易的な席が置かれているだけだ.船の中はミャンマー人用の席と,Foreigner用の席に分かれていた.なんか嫌な感じ.生まれて初めてForeignerという言葉の極端に言うと差別感,壁を作っている感じに嫌悪感を感じた.日本に帰ってからは気を付けよう.そもそも席を分ける必要はあるのか?
 
対岸に着くと,サイカーやバイタクの運ちゃんがたくさんいて客引きをしている.兄ガイドはバイタクか,サイカーのどちらがいいかを聞いてきたので,せっかくだからサイカーにしてみた.

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イカーに乗る兄ガイド.こんなしょぼい自転車の乗り物であるにもかかわらず,日よけの傘を貸してくれた.ヤンゴン川の対岸は,ビルなんて一切ない昔ながらの落ち着いたヤンゴンであった.裏ヤンゴンとでも名付けられたとしたらしっくりくる.少しの坂でも,サイカーは辛そうで平たんそうに見えるが,時折立ちこぎをしていた.

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最初に行ったのは孤児院みたいなお寺だった.兄ガイドが言うには両親を亡くした子供たちがここで僧侶として育てられるのだという.敷地内では確かに小さい僧侶たちが遊んでいた.仏教のお寺ではご飯を食べたら服を着替え,色の違う袈裟を着るという習慣があるらしいのだが,どんな内容だったかは忘れてしまった.

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小さい仏塔が建っている.敷地内は僧侶と自分たちしかいないので静かな空間であった.こうゆう観光もすごく素敵だ.ちなみにここは戦時中日本軍からの被害を受けたのだと言っていた気がする.

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ゴールデンロックみたいなバランスをとっている岩.こうゆう,絶妙なバランスってのが重要なのだろうか.

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イカーはチャーターしたので,入り口で待っていた.孤児院ってことで校舎みたいだ.

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イカーで記念撮影.よく見ると結構おしゃれなおっさんが運転手だったんだ(笑).
ちなみに,ここで持っているバッグがミャンマー旅に持ってきたすべての荷物を入れたバックである.
 
銀河鉄道999で鉄郎が地球を出発する際のメーテルとの会話に,
”おかしいな大旅行に出るってのに荷物は体に着けているものだけだ”
”ほんとうのプロの旅人はそれでいいのよ”
というようなやり取りがある.自分は別にプロの旅人ではないが,この考え方に共感し従っている.さすがに身一つというわけにはいかないが,持ち物は2,3日分の着替えと薬と本ぐらいだ.東南アジアのほんの一週間程度の旅行であればバックパッカーのような大きなバッグも不要だ.人によっていろいろな旅のスタイルがあるが,結局旅の基本は歩きだと思っている.荷物が少なく軽量であることは必須である.
 
イカーで出発する前,兄ガイドからこう告げられる.
”そう言えばサイカーは1時間で10$だから.大丈夫?”
今更であるから何も考えずにOKとかいうが,サイカーに乗って移動しているときに,よくよく考えると,サイカー1時間10$は高いことに気づく.ミャンマーチャットがインフレすぎて,$で言われると値が小さいので安いかのように混乱する.せこい.10$だと15000K程度となる.初日に,タクシーの運ちゃんに半日ヤンゴンツアー35$を断ったばかりだ.3時間で30$ではないか.サイカーとかいうおんぼろ乗り物3時間でそんな価格するはずがない.桁が人たちが違うはずだ.そもそも宿泊費以外は負担するって契約したのに,払わされているのはおかしい.しかも,残金は30$ぐらいしかなかった.
途中,雑貨屋に寄らされたり,寺に行ったりしたが,焦ってあまり頭に入らず.
金がねえ.かといって乗ってしまった手前,おかしいだろと言えるような気の強さはない.というか,気が弱い...気が...弱い...

さっきまでプロの旅人が云々.って書いていたが,かっこ悪い(笑)f:id:yaseinoosamu:20191109141612j:plain

一応途中で寄った雑貨屋の写真をあげる.
結局,1時間観光し,金がないから帰りたいと兄ガイドに告げ,行く前に弟ガイドがおすすめだと言っていた蛇の寺?に行けずに船着き場に帰ってくる.(蛇の寺がおすすめだと弟ガイドが行っていたのだが,どこをさしていたのかは結局よくわからない.)もう少し裏ヤンゴンを観光したかった.
兄ガイドは明日マンダレーに行くなら現金が無いとまずいよって心配してくるが,余計なお世話だ!おぬしがぼったくるからじゃい.
 
13時30分頃 昼飯
船着き場の近くの飯屋さんにて昼飯

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またまた,出ました.ミャンマーカレーこと,ヒン.激うま!屋台の女店員はすごく丁寧だった.そしてまた,目の心配をされてしまった.でも近くの屋台では屋台の店員のおばちゃん同士だったかが激しくけんかしていたのを覚えている.めっちゃ怒鳴りまくっていた(笑).
 
再度船に乗り,裏ヤンゴンからヤンゴン市街に戻る.タクシーに乗り,シュエダゴンパゴダなどを観光する.ここで現れたのは,昼まで一緒に旅をしていたおじさんドライバーではなく,別のドライバーであった.兄ガイドが言うには彼は疲れて寝てしまったということ.確かにおじさんドライバーは夜は固い床で寝てたのにずっと運転してくれたからしょうがないか.
 
14時30分頃 チャウッタンヂー・パゴタ着
巨大な寝像が有名なお寺だ.しかし...

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めっちゃ改修中(笑).寝像周辺は木で囲われ,写真右に映る鉄骨も工事用の仮設であった.

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このあと何回も目にするのだが,ミャンマーの寺の色遣いはかなり特徴的.ゲーセンみたい.

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これもこの後,何回も見ることになるのだが,仏教の絵.お釈迦様がいかに悟ったかが,描かれているのだろう.

 寝像や,建物自体は素晴らしいのであるが改修中の状況になんか激萎えして,そして兄ガイドも聞かないとそんなに解説してくれないので足早にチャウッタンヂー・パゴタを去り,タクシーに乗りシュエダゴンパゴダに行く.
 
15時頃 シュエダゴンパゴダ着

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シュエダゴンパゴダも改修中(笑).兄ガイドにどんな頻度で改修するのか聞いたら覚えていないが結構な頻度で改修をしているとのこと.しょうがないか.入り口で料金を払い,確かエレベータに乗り中心部まで行く.当然ここも裸足.

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改修中のシュエダゴンパゴダの中心の仏塔.敷地は非常に広く,美しいがなんか兄ガイドがいることもありじっくり見ることもできずささっと見る.

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黄金に輝いているのは中央の仏塔だけではない.見どころは多い.

ここで,兄ガイドにこれからの予定を聞かれる.明日マンダレーに行った後は,船に乗ってバガンに行きたい.そういうと,彼は船は予約したのか聞いてくる.現地で購入しようと思っていたので,とっていないと答えると,予約をしてあげるという.言わなければよかった.シュエダゴンパゴダで観光中なのに,営業の話はやめてくれよ.彼はすぐに自分の事務所に電話をする.75$だと.高い!地球の歩き方には40$程度って書いてあるが...ハイシーズンだからしょうがないと彼は言うが.確かに明後日の話だ.1月1日.チケットが取れないことも悲しいので,予約をするために昨日行った事務所に戻る.

 

16時頃 旅行代理店着

ヤンゴンの事務所に戻り,マンダレーバガン間の船のチケットを購入.ただでさえ,75$とぼったくりの価格であるにもかかわらず,カード払いするとチャージ代で5$かかるってことで,80$.トホホ.これで少しゆっくりしてからアウミンガラーバスターミナルに連れて行ってくれればよかったんだけど,急に兄ガイドが

”You should give me tip. 10$ is enough”

とか言い出して,我慢の限界.10$って高くないか?ここミャンマーだぞ.大体,最初に約束したはずだ.ゴールデンロックに行くプラン,タクシーチャーターガイド付き.次の日のバスまでヤンゴン観光.最初に払った金額以外で支払うのは宿泊費だけだと.それなのに,急にサイカーで10$/hourとか言い出しやがって!観光中にガイドしないで営業してきやがって!さらにチップまで要求しやがって.すでにサイカーの時に大量のチップを払ってるわ!しかもチップは要求するものではないわ!

頭にきて,絶対に払わない覚悟で(というより,10$払ったらすっからかんになってしまう(笑)),かたくなに”No”って言っていたら,”自分でバスターミナルまで行け!”とか言われたので,”わかった”と言い,お前に10$払うよりもバスターミナルまでのタクシー代の方が安いわ!とか思いながらそのまま事務所を後にする.

弟ガイドとおじさんドライバーとは楽しくやれていたのだが,兄ガイドとはこうしてまさかの喧嘩別れをすることになる.契約は宿泊代以外は全部払ってもらうってことだったし,最後はバスターミナルまで連れて行ってもらうってことにしていたので,契約不履行であることを論理的に主張するべきであったのかと思うが,あの空間にいたくなかったし単純に喧嘩して居づらくなったから逃げるように事務所を後にした. 普段,人と言い争わないのですごく興奮した.

後でふと,あんな感じで別れたので腹いせに船のチケット勝手にキャンセルされていないか不安になったが,さすがにそんなことはなかった(笑).

 

21時のバスに乗るために,バスターミナルまで行く手段を再度落ち着いて考えなくてはいけなかったので,とりあえず近くにあったショッピングモールに入る.どこに入ったかは覚えていない(笑).

そしてとりあえずこの怒りと興奮を誰かに伝えたくて,同時期にトルコを一人旅中だった会社の同期TにLineで電話する.今思えばやってることは完全に女子だ(笑).

奴はトルコのホテルでのんびりしているようであった.少し電話し,すっきりしたところで,アウミンガラーバスターミナルに行く準備をする.

 

21時のバスではあるが,夕方の渋滞時はヤンゴン中心部から2時間近くもかかることもあるらしい.向こうでご飯を食べることを考えると,18時ぐらいには出たかった.既に時間は17時30分近くであったためすぐにショッピングモールを出てタクシーを探す.タクシーはショッピングモールの前にたくさん止まっていた.地球の歩き方には8000チャット(600円程度)と書いてあったので,10000チャットぐらいが上限だと思っていた.

一番近くにいたタクシーに話しかけたら,”20000チャット”と言われ,論外.”No thank you”って言って去ろうとしたら,”待て10000チャットでどうだ”というので,乗ることに.いきなり半額ってぼったくる気満々かよ(笑).やはり,相場は押さえておかなくては痛い目を見る.

 

17時30分頃 ヤンゴン中心街発

タクシーに乗りアウミンガラーバスターミナルを目指した.やはり交通インフラの整備が悪いヤンゴンの夕暮れ時は激しい渋滞であった.

そして,この運転手,非常に激しいやつだった.大混雑のヤンゴンの道をクラクション片手に大爆走.カーレースさながら急発進,急加速,そして混雑しているので急ブレーキのオンパレード.一度本当にぶつかりそうになり,運転手大激怒!ぶつかりそうになった車にひたすら暴言を吐いていた.基本的にビルマ語ってなんか,響きが汚い気がするがこの運ちゃんの履く言葉からはさらにひどく感じた.”~ガラ!”みたいな感じで.日本で言うと岡山弁みたいな,なんとなく汚い感じ?(失礼か.)

自分はというと,ぶちぎれる運ちゃんと二人きりの,暴走するシートベルトもない車の中で震えながら座席にしがみついていた(笑).ミャンマーの交通こえー.運ちゃんきれてるし,渋滞のせいでめちゃくちゃ時間かかったって言いがかりつけてぼられそうとか思ってビビッていたのであるが,1時間ぐらいしてバスターミナルの前までくると,どこのバス会社なんだい?っていきなり優しい顔をして聞いてきた.よくわからなかったので,チケットを手渡すと,運転中なのにすげーじっくりと見て(危ない(笑)),忘れないようにバス会社の名前を連呼していてかわいかった.シュナイマンダラー?

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アウミンガラーバスターミナルは非常に巨大なバスターミナルらしくたくさんのバス会社が運行しているようであった.日本の東京駅の鍜治橋駐車場のように一か所に様々な会社のバスが来るのではなく,バス会社の待合室の前にそのバス会社のバスが来るというシステムになっている.運ちゃんもどこにバス会社があるか知らないようであった.また,バスターミナルの外観はビルマ語しか書いていないので,外国人が自分の目的地のバス会社にたどり着くのは至難の業だ.運ちゃんは窓を開け,近くの人にバス会社の名前を言い,一生懸命どこにあるかを調べてくれた.

”目的のバス会社を探してあげる代わりに,あと1000チャットだけおまけして頂戴”

なんて,控えめに言うから”もちろん,もちろん”と快諾.なんてったってこっちはぼったくられるんじゃないかってビビっていたので,意外と優しかったおっちゃんが気を利かせてバス会社前まで行ってくれるってんだから1000チャットなんて安いもんだ.

バス会社の前で料金を支払い,車を降りた後.再度運ちゃんにバス会社を指さし”ここ?”ってジェスチャーをすると,ニコって笑いながら頷いた.最初はやべーやつかと思っていたが,終わり良ければすべて良しのマジック.

 

19時 バスターミナル内,目的のバス会社着

早速,受付をする.目が充血していて気持ち悪い外国人に対してミャンマー人は本当にやさしい.受付のねーちゃんは真摯に対応してくれた.20時までにはここにいてねって言われたので,ご飯を食べに行く.バスターミナルはバス会社とその周辺にたくさんの飲食店.ミャンマー人が集まるところにはどこでも飯屋さんがある(タイもそうだが).

 

19時過ぎ 夕飯

遠くに行きすぎるとわからなくなるので,バス会社の裏辺りにあっためし屋さんでご飯を食べる.女の子の店員に呼ばれたのでそこにしたってのもある.地球の歩き方に乗っていたモヒンガーを食べてみたかったが,メニューを指さしたら,それは朝飯だけだよって店員のおねーさんに笑われてしまった(笑).店員さんのおすすめのやつにしてって言いたかったがよく伝わらなかったので,適当に野菜炒めみたいなのを指さして注文する.

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うまし!やはりこのぱさぱさご飯はよく腹に入る.ミャンマーの飯はうまいなぁ.21時のバスまでしばらく時間があったため,ここで少し長居させてもらう.30分程度だけど.マッチングアプリで連絡とっている人にミャンマーなうって自慢する(笑).会計を済ませた後,店を出る前にトイレはどこかなってちょっと見渡しただけで,女の子の店員さんが,何か探してる?って話しかけてくる.ミャンマー人って本当に気が利く.感動.どれぐらい感動したかというと,1年近く経ってもこんな小さなエピソード覚えているくらい.

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ただし,トイレは汚い(笑).思わず撮ってしまった(すみません).水も水洗式ではあるものの,桶の水を流す方式だ.バスに乗る前に一応うんこしておこうかと思ったのだがやめた(笑).トイレを終え,バス会社に帰り,バス会社の狭い椅子でバスを待つ.

 

20時30分頃 バス乗車

バスは来ていたのだが気がついていなかった.スタッフに聞いたらちゃんと対応してくれて,英語がわからないながらも助けてくれた.

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夜行バスと聞くと拒絶反応を示す日本人が多いかもしれないが,ミャンマーの夜行バスは快適だ.日本の夜行バスより広い気がする.シートは2列+1列で,自分はVIPシートという1列独立シートに座った. 故郷の日本では独立シートに座ったことなかったのにミャンマーでまさかの独立シートデビュー.それにバスによってはキャビンアテンダントがいるバスもあるらしい.それで,約20000チャット(約1500円)なので最高.写真にはスポンジボブ?の毛布が映る(笑).

 

21時頃 アウミンガラーバスターミナル出発

ほぼ時刻通りぐらいにバスは出発した.出発後,飲み物と,軽食,歯ブラシが配布された.すごいサービス!

この日は朝5時起きだったし,兄ガイドとのまさかの喧嘩別れ,危険なドライブ×2があったため非常に疲れていたのだろう.それに,何とか夜行バスに乗れた安心もあったからかもしれない.日本の夜行バスではなかなか眠れないのだが,一瞬で眠りに着く.

 

24時頃 休憩

熟睡しすぎて,休憩所に着いたことに気が付かず運転手に起こされる.ほかの乗客はすでに休憩所のサービスエリアみたいなところに行っていた.海外でうかつなことをしてしまった(笑).運転手は英語は一切通じなかったが,腕時計でジェスチャーして,発車時間を教えてくれた.

ミャンマーの夜行バスでは日本のバスとは違い休憩所では全員車から出て,しばらくメンテナンス状態に入るようだ.迷わないように車のナンバーを撮影し,しょうがなく休憩所に行き,トイレを済ませ,その後歯磨きをする.飯はもういらないため,やることないからバスに戻るとまだバスには入ってはいけないらしい.駐車場の縁石に腰を下ろし,時間がたつのを待つ.

 

24時30分過ぎ? 休憩所出発

バスが出発すると,すぐに再び深い眠りの底に.

 

ミャンマーでの波乱の3日目が終了した.冷静に振り返るとサイカーぼったくりの件はもう少し早く気が付いて”No”というべきであった.そうすることによって,支払う金額や観光できた個所も変わっていたかもしれないし,兄ガイドへのチップ問題もそこまで不快な思いをせずに支払うことができたのかもしれないと思えるところもある.それに兄ガイド,弟ガイド,おじさんドライバーがいなければ自分はゴールデンロックに行くことはできなかったから,非常に感謝していることは事実であり,それを考えると余計彼らとは最後まできれいに終わりたかったと思う気持ちが強い.

旅先では気を抜かずに,正しい判断基準(価格とか)を持ち,意思表示をすることが大事だと改めて思う経験だった.チップの問題も文化の違いもあるので一概に要求することが悪いとは言えないので,よく考えることが必要だ.

うーん.難しい... 

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12月30日の概略移動マップ(Google mapsより)