コロポックルの手帳

20代後半,独身,モテない,男が好きなことを書く.

初めての海外一人旅 ミャンマー2 ~師走のゴールデンロック~

12月29日

7時 起床

7時30分 朝飯

朝飯付きのホテルだったのでホテルで朝食を済ませる。どんな朝飯だったかは記憶にないが,飯はうまかったとメモに書いてる.なぜかがらがら.あとスタッフの対応が良かったのは覚えている。

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なんて書いてあるのかはわからないが,ビルマ語のあまりの可愛さに写真を撮ってしまった.基本的に丸文字だ(笑).ハンター語みたい.

 

8時30分 ホテルのロビー

マンダレー行きの夜行バスを予約しようとホテルの受付に相談。英語は当たり前のように通じる.年末って事もあり、当日の夜行バスをとることができなかった。明日ならあると言われたので、30日の夜行バスをとることに。

こうなると明日の夜行バス発車までの今日明日非常に暇になる。ヤンゴン周辺はそんなに見るところが多くないので,最終日の余った時間で、観光しようと思ってたんだが…

とりあえずホテルにいてもしょうがないのでどんな感じか、ホテルに荷物を置いて散策に出かける。外にでるとやはり東南アジア!ごちゃごちゃカオスな町は、忙しく殺伐とした日本の生活に疲れた自分には非常に心地良い。とはいえノープランで外に飛び出してしまったため,体制を整えようと,一休みできるとことを探す.しばらく歩くと公園にたどり着く.後で調べると,マハバンドゥーラ公園.

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左に映るのは独立記念碑.右の方には高層ビルも映る.さすがミャンマーの中心地ヤンゴン.ただし,首都ではない.首都はネーピードという人工都市で最近(2006年)遷都されたようだ.(行ってから知った.ミャンマーヤンゴンだと思ってた.)

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奥にスーレーパゴダをのぞむ.この公園はヤンゴン市民でにぎわっていた.非常に明るく,治安の悪さを感じない.公園内の縁石に座り地球の歩き方を読んだ.

やはりヤンゴン周辺はいくつかのパゴタを回るしかない.ただ,それは一日で十分だ.最終的にはできればバガンを回ってヤンゴンに着いてから余裕をもって一日は置きたい.その一日でヤンゴンを回りたい.うーん.とここで、昨日のタクシーの運ちゃんがゴールデンロックがおすすめだと行っていたのを思い出す。ゴールデンロックってのはたまーにテレビなんかでやっている,崖のギリギリのところでギリギリバランスをとっている神聖な石だ.ミャンマーに来る前の予定ではゴールデンロック行ってもいいかなと考えていたのだが、日程的に諦めた経緯があった。ヤンゴンから頑張れば日帰りできるそうだが,地球の歩き方を読んで難しそうだと感じた.ただ,思わぬ空白の1日半ができた.これは行くしかない。ゴールデンロックがあるチャイティーヨーには鉄道で行けるはずだ.とりあえず駅に行き確認しよう.ということで,ヤンゴン中央駅を歩いて目指した.

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途中の街並み.イギリスの植民地であっただけあって,街並みがヨーロッパ.そこに無造作に張り巡らされた電線が東南アジアっぽい.

歩いているときに気が付く.ミャンマー,車の交通マナーが悪すぎる.クラクションの嵐.セブ島に行った時もひどいと思ったが,そんなレベルではない.アジアの国全部行ったことあるわけではないが,ワーストだと思う.そして歩行者も負けていない.歩行者は誰も信号を守らない.すげー国だ(笑).逆に車は信号だけは律義に守るのが不思議だと感じるほど(信号守るのは当たり前だが(笑)).郷に入っては郷に従え.自分も信号無視をするが,慣れないので車に轢かれそうになりながら,ヤンゴン中央駅を目指した(笑).

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線路の奥に映るヤンゴン中央駅.全体的にぼろい.

ヤンゴン中央駅に着いたが,ヤンゴン中央駅はビルマ語の表記しかない.海外旅行一人旅2日目の自分は英語表記がなく,現地民ばかりである状況にビビりまくり,なんにもできず,写真すら撮らず,とぼとぼとホテルに帰る.(パシャパシャ写真を撮りまくったり,外国語で話しかけたりと観光客丸出しだとからまれないか,この時の自分は不安であったのだ.ほんとにビビり.)

 

ホテルのロビーでデポジットしたリュックを回収した.なんとそこには日本人2人組女の子がいたが,恥ずかしいのでしゃべらず.ロビーで今度はゴールデンロックがあるチャイティーヨー行きの昼行バスを探すが、10時過ぎ,やはりもう時間が遅いので予約出来ない。というか、早朝にほぼ出発していた.明日の朝発バスだと夜のマンダレー行きに乗りくれる可能性がある.やはり電車で行くしかない.もう一度駅に行くが,先ほどと同様,ビビッて何もできなかった.町のプレハブの小さな旅行会社でばすをさがしたが,見つからずしょうがなくヤンゴン観光しようかと気持ちを切り替え,先ほどの公園の近くのスーレーパゴダを目指した.

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歩道橋から撮影したスーレーパゴダ.ヤンゴンはスーレーパゴダを中心として都市計画されている.

 

11時 スーレーパゴダ

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とりあえずスーレーパゴダに来た.パゴダは仏塔を意味しており,この金色の塔そのものがお釈迦様と同様な存在らしい.明らかにお寺とは違うものらしい.

(リンク先参照https://tripping.jp/asean/myanmar/67498

パゴダの敷地内は土足厳禁.入り口で靴を脱ぎ,外国人料金を払い靴を預け入る.ここでパコダの中で明らかにこちらに話しかけようとしてきているミャンマー人の視線を感じるが無視する.

ミャンマーは本当にオリジナリティの高い国である.写真に写る男性のようにミャンマー人は男性もロンジーと呼ばれる民族衣装のスカートをはいている.これは自分も後で買うことになるのだが,デカパンのような布を折り返してうまく腰に巻いているのである.この写真はこのおっさんのロンジーが珍しくて撮影したわけではなくたまたま映りこんだだけなのだ.つまり,未だにミャンマーの最先端,ヤンゴン市街でも男性の多くは当たり前のようにロンジーを履いている.

もう一つのミャンマー人の特徴は女性の化粧,タナカ(Thanaka)である.ミャンマーについたら多くの女性が顔に白い粉を塗っているのを目にする.これはタナカと呼ばれる天然由来の化粧品で日光から肌を守っているらしい.地方に行くと結構男性も顔に塗っている.頬っぺたの周りにきれいに丸くタナカを塗っている若い女の子もいれば,おばあちゃんや赤ちゃんなんかは雑に顔全体に無造作にタナカが塗られていて,逆にかわいい(笑).

パゴダは中央の塔(ゼディ)を中心に通路となっている.とりあえず一周すると自分をじろじろ見ていたミャンマー人が話しかけてくる.

"Are you from Japan?"

日本人であることがバレバレだ(笑).大抵日本人をカモにする人は片言の日本語で話しかけてくるが彼は英語で話しかけてきた.

"Yes"

と言って彼を見ると,色が黒く,アジア系とインド系の中間って感じの顔の若者だった.彼の話を聞くと,自分は大学生で観光業を専攻している.いつも観光のことを学んでいるので,困ったことがあったら頼ってほしい.とのこと.いやー怪しい.そして彼は,スレーパゴダの解説を始める.ミャンマーの場合は生まれた曜日が大事で,水曜日だけは2つに分かれてて,自分の生まれた日の像に何回水を掛けてあげて,祈る,云々.

君は何曜日に生まれたんだい?

いやー知らん(笑).

自分はまだ彼のことを信用できずに,絶対にチップは払わんからな,とあらかじめ言うが,これは練習だし自分も楽しんでいるからお金なんか要求するわけないじゃないか.と彼は言う.

彼と話しているうちに,ゴールデンロックへの思いが再びわいてくる.今回行かなかったらこんな辺境のミャンマーに来ることなんて,もうないかもしれないから一生行くことはないだろう.こいつに頼れば,多少ぼったくられるかもしれないが,あきらめかけていたゴールデンロックに行けるかもしれない.藁にも縋る思いで,彼にゴールデンロックに行きたいことを打ち明ける.

 

自分 ゴールデンロックに今日行きたい.朝発のバスは行ってしまった.鉄道はよくわからん.どうすればいい?

ヤツ おーゴールデンロックか.いいところだよ.最近彼女と行った.鉄道だと時間がかかるからやめたほうがいい.タクシーだったら今からでも行けるよ.

自 タクシーチャーターするの?

ヤ そうだよ.実はおじさんがタクシー運転手で,前彼女と行ったときは100$で行けたけど,それはミャンマー人価格で,君は外国人だからもう少しかかるはずだよ.

自 自分はどれぐらいで行ける?

ヤ 150$ぐらいかな.

 

地球の歩き方にはタクシーチャーターは180$~と記載があったので安いではないか.もうやけくそだ.

 

自 案内してくれないか?

ヤ オッケー.行こう.僕も一緒に観光していい?ガイドするよ.

自 それで価格あがったりしない?

ヤ (笑).変わんないよ.僕も観光するから.

 

ということで,スーレーパゴダを彼とともに出る.スーレーパゴダを出ると,すぐに彼のお兄さんという人がおり(ほんとかどうかは不明),彼が兄さんにゴールデンロックに行く旨を伝える.

あらら,やっちまった.やっぱぐるじゃん(笑).まぁもういいや.どうにでもなれ.ということで,交渉する.彼は最初150$って言ってたのにお兄さんが150は無理だ.200$だねという.それでも,地球の歩き方に書かれた価格と比較すると高くないと思った.最終的に,1泊2日のタクシーチャーター+観光ガイド+食事と次の日のヤンゴン観光+マンダレー行きのバスターミナルまでの送迎(ホテル代は除く)で250$で決めた.150$に色々つけた結果,250$になった.しょうがないか.ただこれ以上取られたくないので,絶対にこれ以上払わないからな.って言うと,わかってる.だけど,ホテル代だけ別だからねと.

 

そういえばこんな高い金払えないから,カードで払いたいんだけどできるかと聞くと,カードはチャージがかかり非常に高いからやめた方がよい.キャッシングで降ろした方がいい.とのことだったので,言われるがままにATMに向かう.ATMで金をおろしている間彼らは大人しくベンチに座って待ってた.ただし,キャッシングの設定をしていなかったので結局できず,もうカードで払うからいいと彼らの”エージェンシー”に向かう.

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ヤンゴンのアパートなどが立ち並ぶ路地を進む.右で指をさしているのが,最初に話しかけてきた弟の方だ.たどり着いた旅行代理店は,学生の頃お世話になった小さい不動産代理店に似ていた.狭い部屋にカウンターがあり,代理店の夫婦が働いている.甘いコーヒーを出され,ありがたく飲む.無事にカードでの支払いを終えた.兄弟は旅行代理店からガイドのための大量の札束(ミャンマーはインフレ)を受け取り,店を出て兄弟とともに昼飯を食べに行く.希望を聞かれるが,何でもいいというと,カレーに行こうという.カレー屋に向かう途中,彼らはよく話す.ミャンマー初めてか,彼女はいるか,どんな仕事をしているか,右目が赤いのはどうしたんだ等々.サッカーをしているらしく,”ホンダ,カガワ,オカザキ”などの名前が出てくる.外国に行って日本人と言うと,現地人から最初に出てくる言葉はサッカー選手の名前だ(アジアだけなのか?).

 

12時30分 昼飯

入ったカレー屋はスーレーパゴダの近くにある,ローカルなカレー屋でミャンマー語しか書いていない.

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ここのカレーは所謂ヒンと呼ばれるミャンマーカレーではなく,インドカレーだった.ポークかチキンか弟に伝えると,皿が運ばれていて,バケツに入ったご飯を店員が皿に盛る.確か,ルーは最初から別の皿に入っていたような気がする.

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なんでこんなに,映りが悪いのか(笑).海外旅行二日目の自分は,写真撮りまくるのが,観光客丸出しで恥ずかしく,あまりとっていない.カレーも取っておけばよかった.

聞くと彼らは非常に若く弟が18歳,兄が23歳だったかな?でよく食べる.お代わりまでしている.君も食べるかと聞かれるが自分はそんなに若くない.食べなよって若干無理やりご飯をお代わりさせられ,腹がパンパンの状態で,店を出る(笑).確かにご飯はぱさぱさでよく腹に入るのだが...

近くのコンビニで買い出しをする.飲み物,お菓子など.どれがいいのかよくわからないので兄弟に任せる.弟は店内に若い女性のグループが入るのを目で追う.そしてこちらを見てヒューみたいな声を出す.こいつ女好きだ(笑).若い集団は日本人では無かったが,中国人か韓国人だろう.

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買い出しを終え,タクシーに向かう.左が兄.右が弟.途中,兄に声をかけられる.

兄 困ったことがあったらすぐにマイブラザーに話せばいい.彼が面倒を見てくれるから.

結構いいやつじゃん.ということで,兄と別れ,彼ら曰く彼らのおじであるタクシードライバーの運転するタクシーに乗り込んでゴールデンロックに向けて出発する.

 

13時前 ゴールデンロックに向けヤンゴン出発

最初,エアコン付きのタクシーって言ってたのに,エアコンなしの窓全開のタクシーであったことに関しては,目をつぶる.

タクシーは渋滞して混雑するヤンゴンの市街地を走る.おじさんドライバーは,自分に話しかけてこないが,助手席の弟とは話している.ただし弟とは違い,陽気なタイプというよりかは物静かな感じであった.弟はブルートゥースか何かで車のスピーカーとスマホを接続して音楽を大音量で流している(笑).ミャンマー語の曲ではなく,洋楽がメインであった.助手席に座る弟は,しきりに後ろの自分を気にかけ,おっけー?って聞いてくる.結構いいやつだった.

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シュエダゴンパゴダの前を通る.

ミャンマーの車はもっぱら日本の中古車だ.

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面白いのは日本で使われていたままの外装で使用されている.幼稚園の送迎バスも走っていた.どうやらミャンマーでは品質の高いと言われる日本車をそのまま使用することがステータス?というよりか,安全の印らしい.今回乗ることはできなかったが,ミャンマーの鉄道には日本の広告がそのまま使用されていたというような話を聞いたことがある.おじさんドライバーの車もトヨタで,車検のシールがそのまま張られていた.

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高速道路の入り口.Please "Q"とは?

タクシーは草原の高速道路を走る.100kmほど出しているが,窓全開でしかもシートベルトがないのが怖い.途中,町を通る個所もある.バスより近くで街並みを眺めながら走るので,よりミャンマー民の生活を見ることができる.時折,大音量で音楽を流しながら,道端で缶の壺みたいなものをじゃらじゃら振っている人たちがいる.缶の中にはおそらく小銭が入っており,多分お金を集めているのだと思う.ミャンマーのパゴダはすべてミャンマー人の募金でできており,貧しいにも関わらず,人に尽くすということをする国であるということ.自分も学ばなくてはと思う.ミャンマーでは募金が集まるためか,いたるところに黄金のパゴダが建立されていた.

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途中踏切で,車は止まる.このように近くでローカルなミャンマー人の様子を見られるのは興味深い.ここでは,男性もタナカを顔に塗っているのがわかる.弟は踏切が長いのを知っているからか,車を降りてお菓子を買ってきた.

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弟が買ってきたお菓子.川魚のから揚げみたいなやつ.おいしかった.

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別の個所でまた踏切にかかる.電車はぼろく,当然窓は開けっぱなし.ドアの個所にミャンマー人が座っているのがわかる.

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3ケツのバイク.子どもに盗撮してるのがばれる(笑).すまん.

踏切前には事務所が設けられており,人力で開け閉めしていた.

 

ひたすら,タクシーは走る.

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タクシーからの景色.見渡す限りの草原.日も少し傾いてきた.

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大きな川を渡る.後で調べるとバゴーの近くのシッタウン川であるのではないかと思う.弟曰く,ここからヤンゴンと文化が変わるとのこと.

ここから少し行ったところで,小便休憩.とは言え,トイレなどない路肩に止まったので,森に入り,立ちしょんする.

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しょんべんしたところの道路を挟んで向かい側の集落.屋根が草でできている.田舎だ.こんなところでもネットが飛んでいるのが本当に不思議でたまらない.

おじさんドライバーはよくわからん,赤い何かを飲んで,しょっちゅうそれを道路に吐いている.ほかのドライバーもみんなそんなことをしているので,ミャンマーの道路はいたるところが赤くなっている.あれは何なのか?

さらにタクシーは走る.

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写真奥に建設中のブッダが映る.ミャンマーでもっとも大きい大仏になるそうだ.”建設中の大仏”なんて,日本だとまぁまぁなパワーワードだと思うのだが,さすがは敬虔な仏教国ミャンマーだ.

このあたりから確かゴールデンロックが山の上に見えた.ゴールデンロックが見えると弟は指をさしイエーイって言ってハイタッチしてきた(笑).

とは言え,ここからゴールデンロックのふもとのキンプンまではまだ結構かかった気がする.

 

16時30分 キンプン着

弟曰く,普通4時間半かかるところが,おじさんドライバーが頑張ったおかげで,3時間30分で着き,ギリギリでキンプン発のトラックの17時の最終便に乗ることができそうとのこと.キンプンはゴールデンロックの玄関で,年末ということもあり,多くのミャンマー人でにぎわっていた.ここで,弟が

”いろんな人が声をかけてくるから相手にしないで僕についてくるように”

と言った.他にも何か言ったが,よく聞き取れず.ここからトラックを改造した乗り物に乗って山を登り,ゴールデンロックに行くのだが,自分はミャンマー人専用の乗り物に乗るからばれないようにしゃべるなと弟が言ったと勝手に解釈し,黙る.今思えばありえないのだが,周りはミャンマー人ばかりで外国人の姿見えなかったのもありそのような解釈をした.そして写真も控えたためあまり写真が残っていないのが残念だ.(実際は政府が運営するトラックなので,撮影はだめらしい.みんな撮影しているが.)

キンプンからぎゅうぎゅうのトラックの荷台に弟とおじさんドライバーとともに押し込まれる.荷台と言っても下の写真のような感じで座席になっている.(翌日撮影).

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弟に任せっきりだったので,どうやってチケットを買うかわからなかったが,ここは一人で来ていたらまぁまぁ難度が高いと思った.弟ガイドと来てよかった.

 

17時頃 キンプン出発

しばらく待つとトラックは人混みにクラクションを鳴らしながら突っ込んでいく.そして少し走ると,バスは止まり,料金回収なのか,募金なのか知らないが,お金を集めに来る人にみんないくらかの金を払っていた.弟も払っていた.このようなポイントはいくつかあったので,募金なのかもしれない.

そしてそのようなポイントを抜けると,恐怖のトラックの旅が始まる.とにかく,狭い山道をバカみたいな速度でトラックが登るのだ.もう,暴走としか思えない.対面通行不可能な箇所が多く,向こうからトラックが来た時には道を開けておく必要があるのだが,一応ちゃんとその対応はしているから制御はできているようが...カーブを曲がるときもものすごいスピードで曲がるので,必死に椅子にしがみつく.もちろん手すりやつり革なんてないので,みんなキャーキャー言いながら揺れるがままに隣の人によたれかかる.弟は余裕そうで,ビビっている自分を見て爆笑している.そして,動画を撮られた(笑).そのうち,トラックでビビる日本人としてyoutubeにあげられるんだ(涙).命の保証がないからジェットコースターとは別次元の怖さだ.ちゃんと地球の歩き方に書いておいてほしかった(笑).ちなみにこんな恐ろしい馬力のトラックはどこ産のトラックかと思って後で確認したら,HINOって書いてあった.

トラックで山を登り,ケーブルカーの乗り場付近までくると時折山の上にゴールデンロックが見えてくる.先ほどまでの盛り上がりはどこへやら,人々は神妙な面持ちになってゴールデンロックを眺める.ゴールデンロック(チャイティーヨーパゴダ)は敬虔な仏教徒ミャンマー人の憧れの地であるのだ.陽気な弟ガイドもゴールデンロックが見えると,手を合わせ,祈っていたのが印象的であった.

 

18時10分頃 チャイティーヨーパゴダ入り口付近着

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パゴダの入り口は人・人・人.ほかのパゴダと同様にここからはだしになったような気がする.(違うかも).確か階段があり,その先が裸足だった.気が付かなくて,弟ガイドに靴脱いで!って注意された記憶がある(笑).

ここからゴールデンロックを目指して人混みをかき分け,歩く.

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辺り一面人の群れ.

どこかにチェックポイントがあり,名前とパスポート番号を記入し,金を払った.(ツアー台に入っているのでガイドが払った.)

山の上ってこともあり,若干涼しい.日本の秋ぐらいで自分には心地の良い気候であった.ただ,南国民の弟ガイドはさむいさむいと震えていた.この混雑の中,弟ガイドは煙草を吸い始めた.自分も勧められて吸ったが,人が多くて危ない.弟ガイドは優しいが,やはりこーゆうところは少しモラルがないというか,これから国としてマナーを覚えていく途上なんだろうと感じる(一方でこの旅の最終日,わざわざごみを拾ってゴミ箱に入れている素晴らしいミャンマー人もヤンゴンでは見た.結局は人柄なのか.)

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右奥にゴールデンロックが映る.まだ遠い.ゴールデンロックまではずっとこんな感じで,人しかない.弟とおじさんの判断で,とりあえず宿を探し,荷物を置くことに.この日はもう下まで戻れないので,山の上で一晩過ごすことになった.二人は最初はタクシーの中で寝るって言ってたんだが...一緒に泊まるんかい!ミャンマー人の計画性の無さ(笑).

弟ガイドが手あたり次第宿を探すが,さすがにハイシーズンということもあり,宿も全然開いていない.そこで二人に通されたのがここ.

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右が弟ガイド,奥がおじさんドライバー.

飲食店の裏にあるありえなく狭い,宿.5畳ぐらいのただの部屋.ここで,3人で寝るとのこと.f:id:yaseinoosamu:20191022162139j:plainまじか.彼ら曰はく,ミャンマーの伝統的スタイルだとのこと.ほんとかい.そして40$程度.普通に高い...ぼったくりめー.いやだったら別のところを探すから言ってくれとおじさんドライバーに言われる.まぁこの混雑状況なのでしょうがないと金を払い,二人が少し外しているので部屋でボーとしていると,ここを管理しているミャンマー人が突然入り口に来てミャンマー語で声をかけてくる.??ってしていると,ミャンマー人はどこかに行き,その代わり弟とガイドは帰ってくる.二人は,管理人に外国人は泊められないと言われてしまったと言い,再度混雑する路上へ繰り出すことに.二人に金を返してもらい,宿を探すがなかなか宿は空いていない.一つだけ空いているのを見つけたのが,先ほどと比較してすごくグレードのアップした宿であった.100$だと.高い!まぁ,でもあの混雑具合を見たらめんどくさい.1万円ちょいぐらい出してもいいかということで,そこに泊まることに.パスポートはフロントにお預けだった.弟ガイドとおじさんドライバーも身分証を預けていたからしょうがないんだろう.ってかやっぱりおぬし等も一緒に泊まるのね(笑).

 このホテルは後で調べたら,チャイトーホテル.地球の歩き方を見たら100$は一般的であった.人混みを歩いてきたので少しホテルで休憩.

こうしている間に弟ガイドが営業をしてくる(笑).

”ロンジーを履こう.買ってきてあげるから,いいやつは15$.安いやつは10$どっちがいい?君がロンジーを履きながら祈っている姿を女の子が見たら,みんな君に見とれるはずだ”

と.少し高いなと思いつつも,まぁ記念にいいかということで安いやつを頼む.多分半分ぐらいは弟ガイドのチップになるのだろう.ロンジーを履く理由が女の子に注目されたいなんて,冗談とは言え,ミャンマー人見損なったぞ(笑).そんな不純な状態で祈っていたのか!

好きな色だけ伝えると,弟ガイドは青いロンジーを買ってきた.

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 弟ガイドに履かされて,記念撮影(笑).決まってるぜ!おじさんドライバーも履き方を教えてくれた.サンダルは持っていなかったので,弟ガイドに借りた.君はどうするのって聞いたら,ニコニコしながら裸足で歩き始めた.祈る準備もできたところで,再度ゴールデンロックを目指した.

 

20時頃 ホテル発

ゴールデンロックを目指す.写真の時間を確認すると,ホテルを見つける1時間半以上,山頂に到着してからさまよっていたのか...ゴールデンロック手前の広場には,足の踏み場がないぐらいのミャンマー人の敷物.どうやら,ここに来た多くのミャンマー人は外で布敷いて,毛布にくるまり屋外で寝るようだ.確かに,ここに来る前,兄ガイドも,君もパゴダの中で寝てもいいけど,日本人だからいろいろ盗まれちゃうからちゃんとホテルに泊まった方がよいみたいなことを言っていた.その時はよく理解していなかったが.

なんで,多くのミャンマー人が家に帰らずわざわざここに寝泊まりするかというと,朝の5時か6時だったかぐらいまでにお祈りすることが最も効果的であるみたいな言い伝えがあり,朝早くはトラックが出ていないのでみんなパゴダ内で一夜を明かし,早朝に祈るのだと弟ガイドが言っていた.

人混みを歩くと,15分程でお目当てのゴールデンロックにたどり着く.

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近くで見るとめちゃくちゃでかい!!そしてライトアップされていて神秘的だ.写真の右上に映る人たちは,ゴールデンロックに直接金箔を塗って祈っている人たちだ.彼らが押すせいで今にも落ちそうだが,言い伝えによるとブッダの頭髪が祀られているおかげで,バランスを保っているらしい.なお,女性は岩には触れないので,右上の列は男しかいない.

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ゴールデンロックの下.手前では人々が跪いて祈っている.奥の階段にも人がいっぱいだ.なんかみんな幸せそう.f:id:yaseinoosamu:20191027165506j:plain

日本の神社では,おみくじや短冊をかけるところがあるが,ゴールデンロックには鈴をかけるところがある.ゴールデンロックの左側に映る金色の装飾がそれだ.鈴の揺れる美しい音色と,家族で祈る人々を見ていると,自分も幸福な気持ちになった.突然,師走を感じた.

階段を上り,ゴールデンロックの横に来る.ここで,弟ガイドにいくらかを払い,金箔をもらい塗ることにした.混雑していて写真はないが,柵の前に係の人がおり,そこに並んで,祈りに行く.スマホは入り口で見ていてくれるおじさんドライバーに任せた.弟ガイドから金箔の塗り方を聞いたが,行ってから1年近くたっているので,忘れてしまった.忘れる前に書けばよかった.ただ,難しいことはなくてとにかくゴールデンロックに金箔をこすりつけ,終わったら頭を下げて祈るって感じだったと思う.

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祈る自分と,弟ガイド(右).ってちゃっかりおぬしも祈ってるんかい!(多分,わしの金で.)おじさんドライバーのスマホ技術の無さで少しぶれているのが,残念(笑).

 

21時ごろ 夕飯

祈り終わったらゴールデンロックの近くの飯屋で,ご飯.

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これがミャンマーの一般的なご飯”ヒン(ミャンマーカレー)”.豚肉や鶏肉を油で煮たものらしい.ネットを見ると脂っこくてまずいとの評判であるが,非常に美味.若いから?あんまり油とか気にならなくて,味付けは最高だし,コメはぱさぱさでどんどん腹に入る!サラダみたいなのもついてて,飽きない!

ご飯を食べた後は,宿に戻る.長い一日であった.当初の計画では今頃ヤンゴンからマンダレーに行くための夜行バスに乗っていた時間なのである.それがかなわず,昼近くまでダラダラとヤンゴンで過ごしてどうするか考えていたが,弟ガイドと出会い,勇気を出してゴールデンロックに行きたいことを伝え,おじさんドライバーが高速運転をし,後は運もあり,こうして師走で大賑わいのゴールデンロックに来ることができた.なんとなく,不思議な気分.

 

ホテルでは弟ガイドと話をする.今日彼には本当にお世話になった.最初はすごく疑っていたが,非常にいいやつだ.

ホテルに入った後,彼は自分もこんなすごい宿に泊まれたのは初めてだ!Thank you for everything!なんて言って,普通のビジネスホテル変わらないような宿をきょろきょろして目を輝かせていたのだが,結局シャワーは浴びず,ベッドに寝ず,床に毛布を引いておじさんドライバーと寝ていた.多分,おじさんドライバーに一応お客さんだからって言われて遠慮したのだろう.シャワーぐらいは浴びてくれてもよかったし,ベッドだってダブルだったから,寝てくれてもよかったのに.

両親はすでに亡くなっているようであった.母が病気になり亡くなり,父はアルコール依存症になった後亡くなったと.お兄さんが頑張って働いてくれているおかげで大学に行くことができている.大学ではサッカーチームに所属していて."I'm a little bit  good pleyer"なんて,謙遜しながら言っていた.海外に行ったことあるかって聞いたら,サッカーでタイに行ったことが一度あるって言っていた.スポーツで海外に行けるなんて,結構優秀な選手なんだろう.

弟ガイドはよくしゃべる.一人暮らしなのかとか,料理はするのかとか.ミャンマー人は結婚するまで家を出ないそう.まぁ.いきなり日本人来たから商売ついでに観光行ってくるわーなんて自由な生活しているんだから,一人暮らししてるのとおんなじぐらい自由なんだろうが.

 

22時 就寝

自分はベッドで,おじさんドライバーと弟ガイドは床で毛布にくるまって寝ている.ドアを開けていたせいで,巨大なスズメガみたいな虫が部屋に入ってきて,寝ている自分の胸に落ちてきた.さすがにビビッて飛び起きるが,二人はすでに寝ている.電気をつけるのははばかられて,蛾を払い窓の方に行ったことを確認してベッドに戻る.

神聖なゴールデンロックのすぐそばで,多くのミャンマー人が外や床の上で寝る中,自分はホテルのベッドで蛾におびえながらミャンマー二日目を終える.